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第147話 疑念の声
リンに連れられて来た場所は障害物競争の走者のほぼ隣の場所。並走して仲間をサポートする流れのようだ。具体的にすることは道中に聞いた。
「確認のために話すけど、つまりサポーターは走者が遭遇する障害物の対処を手伝えばいいんだね?」
「うん、そうだよ! ……そうなんだけど」
「何となく分かる。サポーターが必要なほどの障害って言うのがどんなものかをね。まあ、それだけじゃないんだろうけどさ」
「その、正直に言うと、今回の障害物競争の変更は、かなりやりすぎな気がするんだ……こんなこと純潔一族の方々には言えないけどね。だから、本当に気を付けて」
「うん、大丈夫だと思う。それじゃあリンは戻ってよ。選抜リレーは一番最後なんだし、リンは一番手だから今のうちにゆっくり休んで」
「うん、分かった! ありがと、アルマリア!」
リンは火のように明るい笑顔を見せて元の場所に戻る。走者の方に視線をやると、ちょうど一番手のメーヴィスがこちらに手を振っているのが見えた。
「なんかよく分かんないけど、とりあえずよろしく! 頼りにしてるよ!」
危険な障害物競争が、今始まる。