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第146話 ルール変更

 エルヴィラ達が凱旋する。クラスメイトたちから賛美の声を受け、二人は大きく手を振り、喜びの声に答える。


「二人とも、お疲れ様。まさに馬上の騎士って感じでかっこよかったよ」

「ありがと、マリア! 今回ばかりは私も頑張っちゃったよ! アーネストもちゃんと協力してくれたしさ!」

「僕はただ、情けない姿を見せたくなかっただけだ。僕が悪態を晒すと姉さんにも影響を与えちゃうからな。もしかしたら、今日も見に来てるかもしれないし……」

「ほんと、シスコンだね~気にしすぎだよ!」

「エルヴィラもブラコンだろ。それに、お前は逆に色々と気にしなさすぎなんだ。純潔として見られてるってことをもっと意識しろよ」


 二人は一通り口論し、席に座った。流石に二人も午前中の一件があったことを引きずっていない様子で感心する。私は表情に出していないだけで、内心はそれなりにドキドキが止まっていない。そんな私の心とは裏腹に、競技はどんどんと進んでいく。そして、メーヴィス達が参加する予定の障害物競走の順番となり、メーヴィス、オズマンド、イヴリンは準備のために立ち上がった。その時、体育員のリンに名前を呼ばれ、私も立ち上がり、通路の方へと出る。


「どうしたの、リン。もしかして、リレーの準備をそろそろした方が良い?」

「ううん、一応まだ大丈夫なんだけど、実は、たった今、障害物競争のルールで、一人サポーターを付けようって話が出たみたいなんだ! それで、私たちのクラスのサポーターは、アルマリアにやってもらうようにって言われて、それで呼んだんだよ!」


 私は少し怪訝な表情をする。この突発的なルール変更、そして私を指名する一連の行動が出来るのは、明らかに立場が上の人しか出来ない。直近でそれをしてくる人は奴しかいない。私は心の中で大きなため息をつき、表に出さないように意識しながら、冷静に応える。


「うん、分かった。ありがとう、呼びに来てくれて。それじゃあ、行くよ」

「私も途中までついて行く! ルールを説明しながら行こ!」


 私は視線を送っているアーネストやジーク、エルヴィラに視線を送り、リンの後について行った。

 

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