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第133話 これは始まり

 辺りは騒然となり、逃げ惑う学生たちと迎え撃とうとする学生で乱れる。私はその人の波に押され、みんなと逸れてしまった。その時にちらりとクラウス・フラルダリウスの方を見ると、彼は表情を変えずにじっと私を目で追いながら、警備の人に連れられてその場を離れようとしていた。


「急げ! 応援が着くまで我々で処理するんだ!」


 騎士団長は連れてきていた騎士たちと対応に当たっている。だが、魔物の数が多く、数の壁に阻まれてこちらに来れていなかった。

 教師、学生たちと魔物の群れの衝突はすでに始まっていた。避難誘導する教師と、それを守る教師、そして勇敢なる学生たちが発動する魔法は地面を焼き、宙に舞って空に散る。恐らくエルヴィラやアーネスト、ジーク達も戦闘に参加してるだろう。私もすぐに参戦しに行こうと、なんとか人の波から抜け出して移動しようとした。


「これは始まりだよ、アルマリア」


 後方から彼の声が聞こえる。私は振り向かずに声で反応する。


「人の命をこんな簡単に危険に晒せるその神経が、私には本当に分からないよ。それがこの国の文化なら、この国の血を引いてなくてよかったって思う」

「血を引いてなくても、この国の国籍を持ち、この都街に住んでるなら従ってもらうしかないね。さあ、君の力を、祖父に見せてあげてよ。皆見てるからさ。言葉通り、皆ね」


 彼の言葉は消える。その瞬間、背後から何かが走ってきているのを感じ、素早く振り向いた。そこにはウルフが1体とびかかってきていた。私はすぐに風属性を準備して迎撃を準備したが、それは必要なくなる。

 ウルフの体に巻き付く闇属性のオーラを纏ったチェーンが飛来し、そしてウルフを地面に叩きつけたのだ。私はすぐに周囲を見渡す。そこには見知った顔の彼女がいた。


「はあ……はあ……アルマリア、早くイヴリンたちに加勢に行かないと」


 右目を抑えながら肩で息をする、ミオがそこにいた。

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