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第124話 走るための方法

 私は体育館の方へと向かう。雨で少し気温が低い外廊下を歩き、体育館の中へと入る。そこには体育祭実行委員のリンがいた。彼女は他の従属一族のクラスメイトに運動のアドバイスをしている様子だったが、私の姿に気づき、こちらに来てくれた。


「お疲れ、アルマリアさん! まさかアルマリアさんから練習について誘ってくるなんて、驚いたよ!」


 今日の授業の合間、彼女に声をかけ、練習に付き合ってもらうことを約束していたのだ。


「ありがとう、来てくれて」

「いやいや、そもそもリレーでもちゃんとバトンの渡し方とか、立ち位置とか走り出しとか、色々と細かく打ち合わせしなきゃとは思ってたんだよね! でも、エルヴィラ様は騎馬戦優先だし、エルヴァル様も他の競技の方に行っちゃってるし、集まれるの私たちくらいなんだよね!」

「まあ、仕方ないよ。出来ることをやっていこう。それで、その、実はわたし、足はそんなに速くなくてね。何かいい方法がないかなって、アドバイスを聞きたいんだ」

「そっか! 全然良いよ! むしろ勝利に向かって考えて努力しようとしてる時点でもう最高だよ! やっぱり一番手っ取り早いのは、天性属性を使うことかな! 確かアルマリアは風属性が天性だっけ? それなら、風属性を纏って体を軽くさせて飛ぶように走る、とかが良くある使い方かな!」

「風を纏う、それで、他の人に勝てるかな。その、どうしても私はトップになりたくて……」

「すごい! その気持ちすっごく分かるよ! 私も絶対に一位になりたいからね! うーん、そうだねぇ。選抜リレーは足が必ず地面に付いていなくちゃだけなんだけど、何秒間かに1回で良いから、極力風属性で飛びながら足を地面に付けていく、っていうのがいいのかもしれないね!」

「足は数秒間に1回なら付いてなくても良いんだ。分かった、走りの方はちょっと研究してみる。それじゃあ、バトンの方法とかを考えよっか」


 そうして私たちは、選別リレーの研究を進めていったのだった。

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