第114話 体育祭の説明準備④
メンバー決めは白熱を極めていた。冷えた視線で見ている他の純潔たちを除き、クラスメイトは我先にと出たい競技を議論した。私はがあくびをして窓から空を眺めている間に、いくつかの競技メンバーが決まっていく。ぼそりと疑問を呟くと、エルヴィラが即座に答えてくれる。
「まあ、この体育祭も従属一族の人たちにとっては純潔からの評価になるからね! みんな必死に高評価もらいたいんだよ!」
「ふーん。そういうもんなんだね。あれ、ちなみにエルヴィラの一族にも従属の一族はいるんだよね? このクラスにいるんだっけ?」
「このクラスにはいないんだよね! 別のクラスだし、関わるのは家の中だけにしてるんだ! もし機会があれば紹介するね!」
「おい、次は障害物競争を決めるみたいだぞ。アルマリア、どうだ?」
「いやいや、私はそんな頑張る気持ちはないよ。ほら、メーヴィスがオズとイヴリンを誘ってるし、彼女たちに譲るよ」
メーヴィスはオズマンドとイヴリンを名指しし、参加を強制していた。障害物競争ではただハードルとか網をくぐるとかの一般的なものの他に、魔法による妨害を乗り越える必要があるようだ。そういう意味ではイヴリンの運命属性でうまく行くように操作したり、重力属性を上手く使って避けるのは有利だろう。オズマンドも魔法制御が得意だし、繊細な対処は出来そうだ。体育祭委員のリンもそのことを理解したのか、メンバーはすぐに決まった。
そうこうしているうちに、競技も残り少なくなってきたようだ。あと残っているのは、小学部でも人気だった、選抜リレーを筆頭に2,3個程度。私はこの選抜リレーの説明を見る。なんでもありの長距離リレー。あらゆる魔法を駆使して相手を妨害し、走り抜ける。走る系の競技は風属性が使える人が有力視される。私は、少しだけその文字から目を離さなかった。