第111話 体育祭の説明準備①
私はいつもの席に着く。前には女子と男子が2人が立ち、男子はチョークを持って黒板に向かっていた。エルディン先生の合図でその話は始まる。
「では、体育祭クラス実行委員のリン・グローヴズさん、アッシュ・オーヴォラックさん、よろしくお願いします」
「はい! じゃあ体育祭のプログラム参加などを決めていこうと思います! 皆さん協力をお願いします!」
リンの声はクラスに響く。興味なさそうにしていた純潔の人たちや従属の人たちをも注目させる力を、その声には宿っていた。
「まず体育祭の説明をしないと」
「ああ、そうだね、アッシュくん! えと、体育祭は約1か月半ぐらい先にやる運動会で、色々な種目があって、それを決めるために話し合います! 練習や準備とかも必要なので、出る種目などは早めに決めたいから、皆よろしくお願いします!」
「それじゃあ、今から僕が黒板に種目を書くので、その間にリンさんが配るプリントで種目を確認してください」
「え、私が配るの????」
「お願いします」
「分かった!」
「あ、配るの手伝うよ!」
「ほんと? ありがと、エルヴィラさん!」
そういって、リンは教卓に置いてあったプリントを配り始める。エルヴィラもその手伝いでプリントを手に取る。手元に来たプリントには体育祭の歴史や意義、そして規定された種目が書いてあった。中には説明を聞かないと分からないようなものもある。裏面には種目別の禁止事項なども書いてあるが、こちらは説明を聞くことにしよう。
「はい! それじゃあ早速種目の説明をしていきます! よろしくです!」