第108話 果てしなき自由
訪れる静寂。少しして力が抜け地面に座り込む友人たち。辺りの地面は焦げ、凍り、濡れている。
私は息を吐き、空を仰ぎ見た。雲が流れ、間から青空が垣間見える。恐らくこの一件で私のことは純潔協会に広まるだろう。流石にやりすぎたかもしれない。早めに両親に話した方が良いかもしれない。これからは面倒ごとが増えそうだ。
「マリア……」
「大丈夫、エルヴィラ。ありがとう、助かったよ。ジークとアーネストも、ありがとう」
「友達を助けるのは当然だが? それにアーネストに負けたくなかったしな」
「勝手にライバル扱いされても困るが、まあいい。僕が成すべきことは出来たからな」
「アーネスト、あの一件から妙にアルマリアのこと気にしてるけどさ、マジで、マジな感じ?? だったら私は許しませんわ!」
「バカなこと言うな。そういう単純なものじゃない。エルヴィラには分からないことだ」
「何か企んでるなら、俺が食い止めるぞ」
「だから違う。話聞けよお前ら! 説明しても意味はないだろうが、少なくともお前たちが想像してるものじゃない!」
アーネストはその橙色の瞳を私に向ける。
「アルマリア。多分、純潔協会は君に目を付けたと思う。理由はいろいろと想像できるが、少なくとも言えることは、諦めると自由がなくなるってことだ」
「もしそうなら、私は自由を追求するよ。この大空のような自由をね」
私は空を見上げる。何があっても、私はこの空と共に生きていく。その感情は恐らく私が生まれ持った使命なんだと、勝手に考えていた。