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第98話 発表会③ 空に想い乗せ

 私は発表場所へと歩く。アーネストの時とはまた違った雰囲気で、少し緊張していた。クラスの人たちや先生の視線が私の注がれる。私は息を吐き、空を見上げた。今日は青空と雲が入り混じっている。果てない大空を見れば、私の緊張がどれだけ無意味でちっぽけなのか、思い知らされる。私は視線を戻し、そして発表を始めた。


 水属性のしずくを無数に作り出し、それを風属性のつむじ風に乗せる。宙を舞う水のしずくは私を中心に円を描きながら舞い踊る。途中で風属性で鳥を作り、舞乱れる水のしずくと風の鳥が私の周囲を飛び交う。風の鳥を使って水のしずくを上空へと舞い上げ、水のしずくを1つにまとめる。一つの大きな水の塊に変え、今度はそれをクジラの形へと変えていく。空を泳ぐ水のクジラは優雅に空を泳ぎ、そのそばを風属性の鳥たちが飛び交う。その水属性のクジラは再び私の前まで下りてきて、背面跳びの動きで地面に体を叩きつける。飛び散る水しぶきは空中で小魚へと変化し、私の周囲を泳ぐ。そして、上空から風属性の鳥たちが、水属性の小魚たちに突撃し、弾ける水しぶきをあげ、最後に私が風属性で水しぶきをさらに弾き、ちょうど陽が当たる場所に虹を作ってフィナーレ。


 観衆からは拍手が上がり、エルヴィラやメーヴィスは声を大きく上げて賛美をくれた。私は三角帽子のつばを掴み、控え目にお辞儀をしてその場を去ろうとした。


 その瞬間だった。誰かの悲鳴らしき声が聞こえ、私はすぐにその方向へと目を向けた。その方向から私に向かって飛来する炎属性の大鳥が、真っすぐにこちらに飛んできていたのだった。

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