2、微風 -ソヨカゼ-
期待しないで読んでください…
「どうぞ。熱いかもしれないけど、温まると思うから」
「・・・・・・ありがとう」
彼女は女の作ったココアを両手で包みすすった。
おいしい、と一言言うと、女は太陽のように微笑んだ。
「甘さが足らないかしら。お砂糖とミルクを足す?」
「いえ、私はこれくらいで結構」
彼女の見た目でせいぜい14,5の子供だと判断したのか女は砂糖を出しかけたがその手をとめた。
「ごめんなさいね。何か食べる?」
「・・・シリアルとかある?」
「シリアル? ええ。商売用じゃないけど」
少し目を大きくした女はそのまま店の奥へと入っていき、すぐに出てきた。
「わざわざごめんなさい」
「いいのよ。でもお店に来てまで食べるなんて、大好きなのねえ」
「昔いやと言うほどもらってたの。だからずっと食べてて。
好きっていうより・・・習慣かな。食事は全部これなんだ」
「シリアル? 毎日?」
女は笑う。彼女は微笑む。
会話は微風のようにささやかに、けれど温かく続いた。
まるでずーっと前からの、親友だったかのように、
それは4,50年の時間の壁を越えての友のように。
「きれいな金髪ねえ」
「貴女の髪もきれいだ」
「あら、私はもう年だわ。あなたには叶わない」
「そんな年には見えないな。きれいだと思うよ」
もしここに、この朝のこじんまりとした喫茶店に、
彼女以外の客がいたらどういう関係だと疑問を抱くことだろう。
店側、客の関係はあったとしても年の差は大きい。
それなのに親しげだし、口調もまるで本物の友達間のようだ。
女はくすくすと笑い、仕舞いには自分も彼女の隣のカウンターに座った。
「まったく貴女は面白い人ねえ」
「貴女は美しく・・・罪な女性だった」
「え?」
「貴女に会えてうれしかったよ」
「ほんとに変なこと言うわね」
女はまだくすくすと笑っている。
彼女はもう笑わなかった。
変わりに深く、柔らかで愛おしそうな表情を浮かべていた。
自分でもグダグダだと思います(涙
お叱りのコメントいただきたいです(涙