↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
89/156

85.季節の変わり目。

雲の海を抜けて徐々に降下。

懐かしい街並みが広がる。

時計塔の鐘が鳴り響き

辺りはすっかり闇に包まれていた。


寄り道せずに我が家へ。

夕飯は色々とお土産を貰っていたから

それを少し食べればいいや。


「がんばったねぇ。えらいね〜(翼を撫でる)」

「戻れロングリフォン」


初めての長距離フライトだったけれど

それに特化した種類なだけあり全然平気そう。

頼もしい限りだ。


カチャ...ギイィ...

留守にしていたからまず空気を入れ替え

その後で暖炉に薪を放り込む。

密林が温暖な気候で忘れていたけれど

この辺りは段々と寒くなってきた。


「足の先がキーンとするよー(ブルブル)」

「精霊も寒さに弱いんだね」


カレンの魔法は送風や除湿などで気温を下げるが

室温を上げることは出来ない。

雲を退けて日光で気温を上げる事は可能だけれど

まだ覚えていないし、どのみち夜では使えない。


「明日全力で回して当てるから待ってて」


回すのはもちろんガチャだ。

ここ最近の寒さは例年よりかなり厳しいから

今度のガチャのためにガチャ禁してる人は多い。


“心の底から暖かく〜厳冬の暖房ガチャ”


運営のネーミングセンスはさておき

暖房系のアイテムを集めた今回のピックアップ。

魔術関連の物は全て没収されたのだが

生活必需品である魔術家電まで消えてしまったから

このガチャを当てることは死活問題なのである。


そういう魔術とかもあるにはあるのだけれど

俺みたいなのが発動したら家を燃やしかねない。

高度な魔術にはそれなりの鍛錬が必要。


だから“魔術ヒーター”が欲しいのだ

薪の暖炉と違って魔力の消費はするけれど

比べ物にならないほど暖かい。


「明日は定休日で仕事もないしな...」

「フィオのところに報告がてら遊びに行こうか?」

「わーい!ひさしぶりな気がするよ」


連絡を入れるとフィオからすぐに返信があり

ぜひ朝食を一緒にとの誘いがあった。

俺の好きなパンケーキを焼いてくれるらしい。


「もう寝るよ。カレンも疲れてるでしょ」

「うん。ちゃんと寝るよ...(ふあぁ)」


魔力の回復には栄養と睡眠が大事。

俺も彼女もただ背中に乗っていただけだが

グリフォンへの供給量が結構大きくて

なんだかんだ少し疲れている。


暖炉の火を消して就寝。

冷えないように厚い毛布をかけて眠った。




.....寒い。

寒すぎて起きるのがとても辛い。

毛布を被ったまま暖炉の側まで行き


「か...かえん...(ガタガタ)」


ボウゥ...

なんとか魔法で種火をつけた。

この家は森の側にあるから夏場は涼しいけれど

冬はとても寒くて部屋で凍死しそうになる。

正直しんどい。


「レオ...おはよう...ございます(ブルブル)」


二人で暖炉の前から動けなくなった。

昨日水を入れたヤカンの蓋がカタカタ音を立てる。

同じく用意しておいたコップにそれを注ぐ。


コト...

「はい。貰った古代ヤシのお茶を入れたよ」

「ありがと。いい香りがする〜!」


ヤシの葉をお茶にしたものだけれど

この時期に密林で咲くアガリバナという

夜光花の香りを葉が吸い込んだ珍しいお茶だ。


「これを飲み終わったら出かけるよ」

「うんっ!温まってきた」


冬物のコートを出して厚着した上に羽織る。

カレンにはサイズが合わなくてダボダボ。

今度かわいいのを買ってあげよう。


「...オ...オハヨウ...ゴ...」

「おはようグリフォン。屋敷まで飛べる?」


ヴィア!ヴィアァァァ!!!


翼を一度大きく広げると

自分から身体を低くして背中を差し出した。

この旅を通して信頼関係が増したように思う。


「飛べっ!ロングリフォンッ!」

「しゅっぱーつ!」


バサ...バサバサバサ.....ヴィアァァァ!

シューン!ビュゥーン!スォンッ!シュバーン!


「まっ!ちょっ...待て...うわぁぁぁぁ!!!」

「うわぁ〜!たのしー!」


信頼関係とは一体...

自己ベストを大幅に更新する速度で到着。

乗り心地が改善されたおかげで酔いはしないが

刺激が強過ぎて意識が遠くなる。


「あら、グリフォンに乗ってきたのですね」

「お...おはよう...フィオ」「おっはよー!」


フィオがホウキで門の前を掃いていた。

グリフォンを“ポッケ”に戻して屋敷の中へ。

広い部屋なのにとても暖かくて

俺は着ていたコートと服を一枚脱いだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。