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54.飼育環境を整える。

定休日の朝。

今日は隣街のマーケットへ買い物に出かける。


「マーケットってどんな所なの?」

「行けばわかるよ。基本なんでも売ってる」


鉄道で一駅。

俺の住んでいる街も大きいけれど

ここは中央政府とかがあるからもっと近代的で

高い建物がいくつも建っている。


その中でも一番の賑わいを見せるのが“Foots”だ。

ここは7階建ての各フロアに様々な品物が売っている。


1階と地下は主に食品など。

2階は雑貨やキッチン用品が置かれている。

俺が行きたいのは


「5階のペット用品売場までお願い」

「はい、かしこまりました」


ズゥン.....


さすがに階段で登るのはキツイからフロアリフトに乗る。

これは一箱に一人魔術師が常駐していて

指定の階まで魔力で上げたり下げたりして運んでくれる。

さすが都会。うちの街ではまだ見かけない。


「なんだかフワフワするねー!」

(.......うぅ、少し気持ちが悪いかも)


凄く便利な乗り物だけれど

降りた後のこの変な感覚にはまだ慣れていない。


さて、今日のお目当てはコレだ。


「水槽と鳥かごってどこにありますか?」

「魚関係は奥で、鳥かごは鳥獣コーナーの壁側です」

「ありがとう」


この2つを買いに来たのだ。

一応地元でも売っているのだけれど

ここは品物も良いし見ているだけでも楽しいからね。

あと.....


「これだよねっ!フローリア限定グッズ」

大きくレジ横に貼られたポスターをカレンが指差す。


そう、これも目当てだ。

今1000コイン購入で一枚引ける彼女のくじ。

キャンペーンコラボしていて非売品のグッズが当たる。



アクアリウムコーナー。

最近流行っていて、水槽の大きさは大小様々。

もちろん魚を飼うわけではない。

この前ガチャで当てた“ドラゴン”を飼うのだ。


「そうですねー。シードラならこれくらいがおススメです」

(.......絶対にウソ言ってるだろコイツ)


10cmほどのシードラに3mもある水槽を勧めてきた。

確かに狭いと可愛そうだけれどさすがにこれは...


大きく育てるつもりもないし

結局横が90cmくらいの一般的なサイズに決めて

次は鳥獣コーナーへと向かう。


店員さんはさっきから

“んーそうですよね...” “あーこうですよね...”

それしか言わない。


というのも、中に入れたいのは“ロングリフォン”

今は小鳥サイズでも育つと3mくらいになるらしい。

一時的に使うだけだが成長スピードがわからない。


「でもこの前みたいに逃げちゃうよねー」

「そう、こいつ逃げるんですよ」「そうでしたか...」


先日グリフォンを部屋に放していたら見事に脱走し

半径2km以内を捜索する羽目になった。

いまいち懐いていない。


だから、トリカゴ。

入れておけばとりあえず安心だし

“ポッケ”にしまっておくよりも仲良くなれると思う。


「では中型の魔術ロックがかかるものが良いかと」


どれも丈夫な爪で壊されそうな気がしたから

勧められた頑丈な作りの籠にした。



いざレジカウンターへ。

限定ストラップはもう無くなっていたが

まだクリアファイルやマグカップ

そしてメインの一等ライブチケットは残っている。


(ライブチケットライブチケットライブチケット.....)

俺はガチャを引く要領でくじを5枚引いた。


「ライブ...チケット.....(力無く崩れ落ちる)」


........そんな日もあるさ。忘れよう。

でも大判ポスターが当たったから部屋に飾れる。



重たいが今日使いたいから宅配にしないで

二つも背負って家へと帰る。

両手は塞がっているし顔も上がらない状態だ。


「カレン、キミに任務を命ずる」

「そのポスターを傷付ける事なく持ち帰ってほしい」

「わかりましたぁー!(敬礼)」


俺は部屋に戻ると水槽と鳥かごは二の次で

さっそく壁にフローリアの限定ポスターを貼った。

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