40.勝負の行方。
「ヒィィ...本当にこれは大丈夫なのかフィオォ...」
「大丈夫です。続行します」
非情な裁定でも審判の言う事は絶対だ。
まだ動揺しているようなので俺からガチャを回す。
“Grand Challenge System Assign”
ブヲン...シュウィーン...シュターンッ...
“使い勝手の良い剣“
...なんだよそれ。
もう少し格好良い名前を付ければいいのに。
「これは旧帝国で一般兵用に量産された魔剣ですね」
振ってみる。うーん...
使い勝手は良さげだけど全部が平均値って感じで
なんだか物足りない印象だ。
「うぅ...今それどころじゃあないんだけどぉ...」
指輪が取れなくて苦悶する伯父が
フィオに促されるまま仕方なく石を投げた。
ブワァン...シャァァーン...リンリンリン...シャンッ!
光と共になんだか可愛い音がした。
シュワァン...パタパタ...「おぉフェアリーかぁ!」
10センチちょっとの小さな妖精が
伯父の目の前まで来て律儀にお辞儀をする。
「...............(にっこり)」
「おチビちゃん、君は喋らないタイプなのかなぁ?」
フェアリーはブンブンと顔を横に振る。
「フェルナンド、この子はとてもお喋りな子ですよ」
「それにとてもユーモアがあります」
フィオが可笑しそうに笑う。
よく聞くとすっご〜く小さな声で何か言っている。
俺には何を言っているのか解らないけれど
フィオとカレンには聞き取り易い声質なのだという。
「................(ニヤリ)」
「フフッ...ええ、これはフェルナンドの勝ちですね」
まだ笑っている。
一体フェアリーは何を話しているのだろうか...
「さあ、泣いても笑ってもこれが最後だぞぉ〜!」
「勝負だレオナルドッ!」
若干元気になった調子の良い伯父がガチャを回す。
“Grand Challenge System Assign”
ホワン...シャリーン...シャカシャカシャカ...
“ペンのような剣”
「“ペンは剣よりも強し”という異国の言葉があってだなぁー」
「解説は後にしましょうか。次、レオナルドどうぞ」
俺の最後のターン。
遊びといえども絶対に負けられない。
召喚陣の光が強く光った瞬間に石を放り投げた。
これは他の人のログで見かけたジンクス。
ブォン...シュシュイン...フォンフォンフゥオーン...
確定までが長い...期待できるぞっ!
シュ...シャァァーン
“非重力の盾”
大きめの盾で俺の腹から地面まではある。
「これはすごいですよ...持ってみてください」
言われるがまま重そうなソレを持ち上げてみると...
「.....軽いっ!? というか全く重さを感じない」
装備には重量の問題がどうしてもあるが
これだったらノーカウントでいける!
昔の人の技術ってすごいなぁ...
「これでレオナルドの優勝が決まりましたね!」
「優勝ってそんな大それたことじゃ...」
皆に大袈裟な拍手をされてなんだか照れ臭かった。
勝敗が決したところで今日はもうお開き。
泊まっていけと伯父が煩いので二階の部屋を使う。
.....ん?フェアリー?
「そうだよー、うんうん」
「..............(にこにこ)」
カレンと仲良くなったようで部屋までついてきた。
一応伯父の妖精なのだけれど...
同じ屋敷内だから、まあいいか。
こうして三人(精霊、妖精)は一緒の毛布に包まって
感謝祭初日の夜を終えるのであった。
「いーなーいー!!どこへ行ったんだぁぁ.....(涙声)」




