ぷろろ〜ぐ
こちらは、異世界からやってきましたシリーズの二つ目ですが、これから読んでもらって構いません!
どのシリーズを読んでも楽しめるような作品になるように頑張っていきたいと思っています。
更新は遅いかもしれませんが、もしよければ読んでみてください!
「はぁ、はぁ……これで最後だ!魔王!!」
勇者はボロボロの体に鞭を打ち、剣を構える。
「ふはは!望むところだ勇者よ!!」
目の前に立つ黒い鎧をつけた男、魔王もまた黒い剣を構える。
「終わりにしてやる!全ての力をこの一撃に!!」
勇者は持ちうる限りの魔力を剣に注ぎ込んだ。
「死して散った者達のために、貴様を葬る!!はあぁぁぁぁ!!」
魔王も剣へと全ての魔力を注ぎ込む。
「トドメだぁぁぁぁぁ!!!」「オオオオオオオ!!!」
二人は相手めがけて剣を振る。
その強大な魔力が込められた剣と剣がぶつかる刹那…、二人の元に光の柱が落ちてきた。
「っ!?何だこの光は!!…ウォォォォ!!!」
光に包み込まれた勇者は目の前にいるはずの魔王の気配が無くなったことに気づく。だが、光の中で何が起こったのかは分からずにいた。
「どうなってやがる…!?この光は、何なんだ!」
勇者が一人唸っていると、不意に視線を感じて上を見上げた。
「誰だ!?」
「……女神です」
「女神だと!?」
その清らかな声は確かに聞こえたが、光の中で姿は見当たらない。
「どこにいる!?出てこい!」
「…魔力が強すぎたのかしら…それともタイミング…?勇者と魔王の魔力に共鳴したのかしら…う〜ん、どうしましょう…」
「おい!何をブツブツ言ってやがる!どういうことか出てきて説明しろ!」
勇者は苛立ちを隠そうともせずに剣を上へと突き上げ女神に吠える。
「あーもう、うるさいですね〜!転生ですよ!転生!なんかもう、どうでもよくなっちゃったじゃないですか!…とにかく!異世界に行くんですよ!」
「何!?異世界だと!?何言ってやがる、この女は!」
「うるさい、うるさーい!……異世界にて生きなさい。戻すことができれば、伝えますから……それじゃ!」
「おい!ふざけんな!おい!!……!?何だ?光がどんどん強く!?うわああああ!」
眩しすぎる光に顔を思わず伏せていると、だんだんと光が消えていくのを感じた。
「……うぅ、くそ…何だって言うんだ?」
顔をゆっくりとあげた勇者の前に、見たことのない景色が見えた。
「オラァ!その首もらったわぁ!」
「親父ぃ!ここは俺らで食い止めますから、早く行ってください!」
「馬鹿野郎!!ガキ置いて逃げる親がどこにいるってんだぁ!」
目の前ではいかつい男たちが刃物を振り回しあったり、殴り合ったりしてる、どこかの部屋だった。
「な…何だ、これ…」
呆然と立っていると、凄まじい殺気を背後に感じ振り向く勇者。
「…テメェ、どこから湧いて出てきた?あ?」
体にデカデカと絵を刻んだ長髪の男と、勇者は目があった。