異世界ルールを教えてほしい
崖から降りる。
降りるのに30分は掛かったが、彼らは待ってくれた。その間、怪我人の治療をして、武器の手入れをしてた。その間も周りの様子を警戒も欠かさなかった。
地面に着くと皆笑顔で声を掛けてきてくれた。
「おー、助かった。」
「ありがとございました」
「どこのどなたかが存じませんが、大変助かりました。」
「よかったらゴブリン討伐を一緒にどうでしょうか。」
などなど。
おー、さっきのはゴブリンっていうんだ。偶然の一致か?
言葉も通じるし、ラッキーか。これは、自分が話す言葉も違ってたし、予測できたことか。
それにしてもかわいい娘さんだな。名前はなんて言うんだろ。かわいらしい顔だし、声もかわいい。プロポーションはだぼっとしたワンピースみたいな服なのでわからないが、いいに違いない。
なんて思っていたが、聞き捨てならない単語が混じってたぞ。一緒に討伐って、何?見ず知らずの俺に?なんで?武器も持ってないのに。社交辞令ってやつか。そうか。
第一声が大事だよな。ここで失敗すれば、この後の立ち位置が決まるな。
なんか気の利いたセルフはないかな。
いや、どうだろ。今のところ3音まで、単語なら二つまでしか、声に出せないし。
「いや。」
「えっ?」
やばい。思ってたこと、しかも最初の言葉を口に出しちゃったし、最悪の言葉を発したような気がする。
しかも、いろいろ考えてて返事が遅れてしまった。
娘さんがビックリするような顔でこっちを見てる。
周りの男たちは殺気立ってる。
やばい、やばい、やばい。なんかフォローしないと。
「はなし、、、にがで」
あー、落ち込む。最後、かんじゃったし。絶対、頭の弱い人だとおもわれてるよ。
そういえば、髭も剃ってないし、髪も伸び放題で、しかもボサボサ。しかも臭いしな。
対して、相手は身なりはきちんとしてる。
周りの男たちも見る。あーどうでもいい。特に3人。なんで男前なの!なんか負けた気がする。無視しよか。
「そ、そうですか。何はともあれ助かりました。私の名前はルージュと申します。宜しくお願い致します。」
「ブルーだ。」
「オランです。」
「ヴェール」
娘さんとリーダー格が自己紹介してくる。
ゴブリンに囲まれてたのがブルーで、後から出てきたのがオラン。怪我したやつの名前も知りたかったが自己紹介はこの三名だけだ。まあ、全員が自己紹介しても覚えられないけど。
顔もそうだけど、みんな欧風な名前だな。こっちだけ和風な名前だと目立つよな。なんか嫌だな。なんかいいのないかな?今の異世界生活で三回目の人生だから、サンとか?ちょっとひねってアン、ドゥ、トロワのトロワとか?
「おれ、、、トロワ」
「トロ?」
「トロそうだからトロイだな。」
「トロイの方がいいな」
ちくしょう、勝手に変更するんじゃねー。でも、多数決には従うぞ。相手は武器持ちだしな。
「うー」
ちょっとだけ、睨んでやった。
効果なかった。
話しをしてるの8人中名前を名乗った4人だけ。他は黙々とキャンプの準備をしてる。薪をしたり、食事の準備をしてる。
獣を狩って、野菜を集めてきてる。優秀だ。見習いたい!そんな思いが強かったせいか、4人との会話に身が入らない。だって、討伐の意義について、なんてことをずっと語ってるんだもの。要約すると王都から遥かに離れた場所にゴブリンがでて、少ないながらもなんとかやりくりしてる人里に危機が迫っている。それを助けたい。とのこと。
そのまま言えばいいのに、まわりくどーく、説明している。
眠い。
興味が湧かない。適当にふがふが応えてた。それでも大丈夫だったみたい。
それよりも野菜が食べたい。異世界にきてから、肉、果物、ばっかり。飽きた。
食事のしたくの様子を見る。肉や野菜がある。久しぶりだなと思うが、生か。なんて思っていると、娘さんが、鍋とか、お椀や皿らしきものを手品の様に表れた。ビックリ。
改めてみると、ブレスレットにゴブリンが弄んでたような石が見える。あれか。
ゴブリンは呪文のようなものを唱えていたような気がするが。
今度は注意して聞いてみる。
「鍋を取り出したい。」
鍋が出てくる。
「塩が欲しい」
袋が出てくる。
収納ボックスかと思ったけど、転送?それなら出来上がりを出した方がよいと思うけど。ひょっとして何を取り出すか、声に出して指定しないといけないとか?ゴブリンも火を起こしたり、武器のメンテナンスらしき行為をやりたいことを声に出してただけとか。この世界のヒトの言葉はわかるけど、ゴブリン語はわからないから、呪文と勘違いしてただけとか。
恥ずかしい。
あの後、ファイヤーとか、なんか恥ずかしい感じのを何度もやっちまったよ。だれか、この世界のルールを教えてくれー
短め
想いを文章にできない
難しい・・・