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異世界生活記  作者: テトラ・ポッド
はじめての異世界
2/7

ゴブリン先生

人の手が入ってるのか、下生えは少なく歩きやすい。

倒木がところどころあり、その上に苔も生えているのを見ると、人は来てなさそうな気もするが、どうだろう。そのあたりの知見がないな。

とりあえず、当座の目標は寝床の確保だ。


初め、洞窟でも探そうかと思って探していたが、なかなか見つからなかった。起伏はそれなりにあるが、地面のほとんどが土に覆われており、たまに岩が見えても人の背丈ほど。たまに見かける穴は、いかにも何かが潜んでいそうな感じがした。

その上、洞窟なんて入り込んだら、逃げ道がないと思い至ったため別の手段を探すことにしたのだ。

ここは森の中、なのでいくらでも木は生えている。利用しない手はない。


木の上に枝を組み合わせ、ツリーハウスを作るつもりだが、いかにも!な小屋だったら意味がない。目標は、鳥の巣だ。人がの寝転ぶサイズの鳥の巣って何?とは思うが、隠れられるのが目標だから。サイズは異世界ってことでごまかせないかな。本当にそのサイズが必要な鳥さんが来られたら困るけど。


しばらく歩くと2本の木が一本の大木によしかかっているのを見つけた。倒れただけで生きてるのか、枝が寄せ合って空が見えない。あれなら少し手を入れるだけで目的の鳥の巣もどきが簡単にできそうだ。

問題はその高さが10メートル近くあるところか。とっかかりはあるんんだ、登るのは問題ない。ちょっと高くて落ちそうなところが怖い。

昔、ツリーウォークをやったことがあるが、安全だとわかってても怖かった。あの時の方が今回より高いとは思うが、あまり気のりがしない。半分の高さじゃ、すぐ見つかりそうで怖いから、手ごろな高さなのでちょうど良いんだけど。


「よし」


気合を入れる。

登る。結構簡単に登れた。手がかりが多いのが良かった。

更に上って、上から折った枝を追加して足場を固める。

そこに、地面から持ってきた石を集める。木の枝分かれしたところに一旦石を置き、徐々に上げていく。

不思議なことに、あまり疲れない。本当に、この体、体力がある。

それでも、順調にはいかないけど。何度か木から落ちた。体は、あちこち傷ついて、痛い。

でも、地面で寝るより良い。多少の痛みは我慢しよう。

とは言っても簡単に作れるものではない。もっと、材料となる木を集めなければならないし、固定しないとならない。


しばらくすると落ち着ける場所ができた。何より下から見られないのがよい。匂いも木を折ったおかげで自分の匂いが紛れてるような気がする。

あまりにも人口的な感じがするのが気になるが。


何度も降りたり登ったり、周りを徘徊してるうちに、よさげなツタも見つけた。1回だけターザンロープを試したが、2度目はない。非常に怖かった。最後の手段にすることに決めた。

とりあえず、そんな疑問は置いておいて作業を続けた結果、夕方には寝床も罠も完成した。

ちょうどよさそうなツタも見つけたし、手ごろな大きさの石も多数用意した。探している途中で、水飲み場も見つけた。果物らしき食べ物も確保できた。ラッキー。

衣食住がそろっている。ずっとこの森で暮らしていけるかな、なんて一瞬思ってしまった。さすがにそれは無理とおもうけど。


一息ついたらどっと疲れが出てきた。

自分で作った鳥の巣もどきで横になると全く動けなくなってしまった。

あせった。

無理をすれば動けたので、そのまま横になる。どんなからくりがあるのか知らないけど、地面にいる時でなくてよかった。

やることがないので眠る。



日も落ちたころに、グギャグギャと声が聞こえる。

鳴き声、という感じではないが言語でもない。ないよな。

暗がりでもあって何が近づいて来るかわからないが、大人しく通りすぎるのを待つ。どうにか、そのまま通りすぎてほしい。

上から見下ろす。20メートルほど離れた場所を通りすぎる。

大きいので、身長120センチくらい。ぼろをまとっている。手には棍棒らしきものや、ヤリっぽいものを持っている。

緑色ならゴブリンと呼んでやろうかと思ったけど、薄暗くなってきており、色がわからない。かろうじて何匹かがわかるほど。

全部で6匹。

いくらちっちゃくても勝てる気はしない。

丸腰だし。

他にも仲間がいたらと思うと、手を出す気にはなれない。


おっと、何殺る気になってるんだか。気持ちをリセット。


そのうち、声も聞こえなくなった。物音もしない。

まだ、動けないので、話す練習をする。単語は何とか発音できるけど、文章は無理だ。

耳を塞いでも音が骨を伝わって聞こえてくるので、やっぱり気持ち悪い。

それに不思議なことに気づいた。

『ファイヤー』、『火』、『炎』、『焔』、『フラム』。音が違う。なんと、炎、焔、でも違う。まあ、偶々日本語で音が同じってだけで、中国語では違うんだろうな。知らんけど。

平仮名と感じでは同じ音になった。ほのおと炎は同じ。ちなみに片仮名で考えても同じだった。

次は文字ではなく、実際の火を思い浮かべて、言ってみる。と思ったが、無理だった。焚火の火を思いながら、『火』と言ったら、「火」になるし、『ファイヤ』と言ったら「ファイヤ」になる。つまり自分が言った言葉にならった音が発せられる。想像以上に言葉のイメージが強かったらしい。


とりあえず、単語を練習する。

『俺』『寝る』

何度か繰り返したあと『俺は寝る。』と言ってみる。

「俺は寝」

気持ち悪い。

そうだ、途中で区切ってみよう。

「俺は、、、、、寝る。」

なんとか言えた。でも、難易度は高い。めげそう。ちょっと頭の弱い人みたい。落ち込むなあ。

何度、練習しても、文として発音できるのは、単語2つまでが限界だ。3つは無理だった。

きっとこれは異世界言語レベル1だからだ。無理してレベル2に挑戦するから、吐き気がするんだ。そうに違いない。俺の頭が悪いせいじゃない。二十年以上英語を勉強しても全く上達しないのと同じ理由ではない。異世界仕様だ。きっと。

レベルアップの為に、熟練度を上げるんだ。とりあえず100語だ。ひとつ1%で100個で100%。異世界ルールがわからないのでそれでいく。そう決めた。今決めた。

ステータス画面も開けないからしょうがない。


そんな馬鹿なことを考えてると、また、ゴキャゴキャと音が聞こえてきた。

いつの間にか寝ていたらしい。朝になってた。


ゴブリンが木の下に集まっている。食事かな?

小ぶりのウサギをかみちぎって内臓やら、肉やら、貪り食ってる。

かなりの顎の力なんだと思う。6匹いる。いつも6匹セットなのか?それともさっきの奴らか。


ウサギ一匹じゃ足りないだろうとみてると、案の定、取り合いになった。

かなり激しくやりあってるが、殺し合いまではいかないようだ。

あきらめたのか、多めに喰ったやつ以外は獲物を探しに散った。

どうするのだろ?

残ったのは2匹。

背丈は1メートルちょいくらいか。残ってる奴が一番大きめ。その取り巻きも同じくらいか。


散った一匹が近くのくぼみにでごそごそやってる。

潜った。

どうやらうさぎの巣があったらしい。そんなところに食糧が、、、ちくしょう!

蹴り飛ばされてる。異世界のウサギは強いらしい。3匹、走り去っていった。ざまあみろ。

傷だらけになったゴブリンが出てきた。おっ、一匹捕まえたらしい。

今度は大物だ。捕まえた奴が食って、残りは帰ってきたゴブリンに分けてた。なんかいい奴らだな、と思ってしまった。

俺にも分けてもらいたい。仲間じゃないけど。


それにしてもウサギ、生で食ってた。寄生虫とかいないのだろうか。

細菌とかも心配だ。

生水を飲んだ時点で危険を冒しているわけだけど、それを続けたいとは思わない。

毒も心配だ。

この世界、ステータスは見れない。見れるようになれないかな。


下のゴブリンは、何故かこの木の下がが気に行ったみたいで、ここから離れようとしない。マジっすか。

水場に近いし、小高い岩場になってるから、あんまり湿気ってないし、俺も最初この下で野宿しようと思ったけど。ゴブリンと同じ。俺がゴブリン並みなのか、こいつらが俺並みなのか。なんとなくへこむな。


ゴキャゴキャいいながら、なにか取り出す。

石ッころ?

小さくて聞こえない何やら言葉を発っしたあと、石が光り出した。

その横で棍棒らしきものを手入れし始めた。


なに、この異世界。

ゴブリン、話すし、魔法みたいの使うし、石?、武器の手入れってなに?それなのに生肉丸かじりって、違和感半端ないわ。

突っ込みどころ満載。


とりあえず、彼らの行動を観察する。

ウサギの取り方とか、食べ物とか、何かいろいろ為になる。

ゴブリン先生。

なんか虚しいなあ。


なんか尻切れ、後で書き足す、かも

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