The Third Daylight「陽光~Only I can See this Beautiful Horizon…?~」
夜を朝が食べている。陽光の刻。
目が涙を終えている。夢現の境。
旅の記憶。
白い翼で。
世界の上。
一番上へ。
そのまた上の黒い冷気の光の海。
その冷たさに手を浸す事を願う。
願う彼女を、護りたい、と願う。
護りたいという願いの姿が私であり、
彼女のことを護れる私は、
だが、どこにも居なかった。
そして、彼女の願いだけが、成就した。
彼女の願い。
それは、私をこの白の海からその黒の海へと解き放つという事。
そして今、私は人間として肉体を持っている。つまり、彼女が私に託したものとはこれなのだ。
彼女と本当に一体化して天使になると言う事は果されなかったが、
彼女は私に肉体を授けてくれた。
白き海の女王が黒の海の生き地獄に於いて私の様な精液に与えていた人形としての肉体とは、彼女自身の事なのだ。
何が言いたいのかというと、先ほど死んだ人格というのが、彼女そのものなのだ。
彼女は、自らこの世界に飛び込んで来る事は赦されていなかった。彼女は白夜の母の管理システムの一環に過ぎずこの黒の世界では全くその存在の保持が保証されていない。だから、精液に基づく人格でない彼女というイレギュラーは今、消えた。そして私は、それを泣き続けていた。
この世界に入り記憶を失うその瞬間まで、きっと、おそらく生まれて初めての笑顔で、私の未来と、自分の最後を、見送ってくれたはずの彼女を。
イレギュラーは彼女の介入だけに留まらなかった。黒の世界が、今度は朝の様な明るさだけを示しているのだ。恐らく、黒の世界はその正規活動を持つときにのみ夜を抱えるのだろう、今私がここに存在する、彼女がもう存在しないイレギュラーが感知されるまではこの状態が維持されるものと思われる。もしくは、システム自体が死んでしまってその復旧まではこのままなのか。
終ぞ見る事の叶わなかった彼女のその笑顔を、心の何処かで追い求めてしまっていたのだろうか。
見てしまえば、忘れることが出来ない大切なもの、それがもうこの世には無いという現実、
それをもう、忘れてしまっていたのだろうか。
私は、夜を愛する自分を殺され今度は美しい美しい朝だけを愛するように固定された正しい人間として再生した私は、
何故かその朝を美しいと思えなかった。
それは普通なら夜に当たる明度も必要であり、確かにその存在は不自然なのかもしれないが、朝だけの世界、始まりの予感、希望の息吹、生命誕生の鼓動に満ちたその瞬間が永続するこの天国の様な情景が美しくない筈が無い。美しくない訳を手繰る内一つ思い当たったのがそれだった、失われた彼女の笑顔だった。
そうか、私はこんな予定調和の朝焼けを孤独に見続ける生に残ってしまったのだ。帰りたい、いや、帰らなくては、彼女の笑顔の存在する場所へ、本当の、天国へ…。
現実を愛せなかった、自分の天国も愛せなかった私は、唯一愛せた彼女の元へ行く必要がある。そう思った。
朝露の中に映っている幾つもの太陽の中のどれかが、その本当に美しい世界を照らしているような気がした。
まず朝露とは何か?(ねっとり まあええんちゃいます天界の情景なので(すっとぼけ




