試験2日目
~第二体育館~
「それじゃ全員集まったな。昨日も言った通り試験期間中に受けた属性の魔法はカードから除かれてるから勘違いするなよ?」
ま、そこは全員が分かっているだろう。
それよりも早く始めてくれ。
俺はさっさと終わらせてのんびりしたいんだ。
「今日も自己申請の形でいくが誰か初めに行きたい奴はいるか?」
「俺が行きます」
「お、今日も水代がトップバッターか。…よし。ならカードを引いてくれ」
そう言えば属性を決める時にわざわざカードを引かせるのは何故なんだろうか?
そんな事をしなくても順番に行くか、自分のやりたい属性を生徒に選ばせればいいのに。
面倒くさい。
‥まぁそんなのは別にいいか。
どうせ大したことじゃないだろうし。
一番端っこのカードを…
「水‥の属性か。確か水代は水の属性は得意だったよな?」
今日もついてるな。
楽々クリアでゆっくりしよう。
「はい」
「なら‥そうだな……水代への課題はこの正方形の箱を水で包んでくれ」
また先生がどこからか物を取り出す。
何属性の魔法だこれは?
「分かりました」
今の俺達にとって魔法を一定の量で一定の大きさに維持することは難しい。
ただ単に打ち出したり、発生させるだけなら授業通りであまり苦ではない。
が、今俺が受けた課題は授業ではまだ習ってない範囲の内容だ。
先生も俺の実力を見越しての判断だろうが‥
☆★☆★☆
「……よし。合格。次は誰が受ける?」
正直今回は結構際どい結果だった。
魔法は安定しないし、維持するの大変だったし。
結論合格がもらえたからいいけど‥
もう少し難易度を考えてくれたっていいんじゃないですかー?
「よし。合格。次!」
「んじゃ俺が行きまーす」
お、次は炎斗か。
1時限目を時間一杯寝てただけあってマナは回復しているみたいだな。
担当の先生にはかなり睨まれてたけど。
「…‥炎坂は風か。なら私に魔法を当てて後ろへ押し戻しなさい」
魔力解放型の内容か。
‥その程度なら今の炎斗のマナでも大丈夫だろ。
「分っかりました!それじゃいきますよ先生!」
炎斗が魔法を発動させる。
風が先生に向かい強く、強く吹き荒れる。
初めのうちは先生も粘っていたものの、10秒としないうちに押し戻されてしまった。
「よし。合格!次!」
炎斗が駆け寄ってくる。
満面の笑みで。
「なんとかなったぜ琥琉ぉぉ!ありがとうな!」
ここまで偽りのない言葉で感謝されると気持ちいいな。
「ま、気にするな。今のでマナは全部使ったんだろう?6時限目の試験用にしっかり溜めておけよ?」
「お!そうだな!んじゃ今から寝るぜ!また時間になったら起こしてくれな!」
「ああ」
それから炎斗は時間一杯まで寝て、その後の授業の殆ども寝ていた。
6時限目の試験の時には魔力は完全に回復し、万全の状態で受けていた。
俺も万全…とは言えないが[土]の属性を難なく合格し、炎斗も同じく得意の[土]を引き当て、見事合格した。
これで俺が残り[雷]と[炎]
炎斗が[水]と[雷]
お互いの得意な属性が残ったな。
「ん~~…‥!!!まぁ余計なことは考えず明日の試験も楽に受けようか」
そんなことを考えつつ俺は自宅へ足を向かわせる。