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拠点パート―霞―



 「刃重、霞を知らないかしら?」


 「霞?いや、今日はまだ見かけてないけど、どうしたんだ?」


 「前に遠征に行った詳細を記した書簡を提出するように言ったんだけどいっこうに私の所に届かないからどうしたのかと思って霞に聞きたかったんだけど姿が見えないのよ。」


 「そうなのか?」


 「まぁ、今日は非番の日だから大体の想像はつくけどね…。」


 「言ってくれれば連れて来るけどどうする?」


 「ん…じゃあお願いできる?城下町の酒屋で飲んでるでしょうけどね。」


 詠のため息交じりの言葉に迅重は苦笑を洩らす。


 「…ははは。じゃ、行って来るよ。」


 ――――――――――――――――――


 「酒屋、酒屋…と。」


 迅重は城を出て城下町を歩く。


 「漢の時代と言っても現代の物がチラホラ窺えるのは不思議なんだが…テラスみたいな店もあるしBRAの様な物もあるしどうなってんだろうな…?」


 城下町を練り歩く様にして酒屋を探す迅重は町の様子を見つつそんな事をぼやいていた。


 「お、迅重~こっちやこっち!」


 そこに聞き覚えのある声が迅重を呼び止める。


 「…霞、そんな所に…ってどんだけ飲んでるんだよ。」


 霞の声に反応して迅重がその姿をみて呆れていた。


 「こんなんぜんぜん大丈夫や。まだまだ飲めるで!」


 テラスの様な店構えをしている酒屋の卓上には転がるように酒の入っていたと思われる陶器が5、6本あり、霞の足下にはその倍の本数が転がっていた。


 「お前、詠が城で探していたぞ?」


 「詠が?何の用やろ?」


 「前の遠征討伐の詳細を書いた書簡がまだ届かないと言っていたぞ?」


 「あぁ~、すっかり忘れとったわ!」


 わはははと笑う霞に迅重が溜め息を吐く。


 「さっさと戻るようにと軍師様からのお達しだ。」


 「しゃ~ないな。詠を怒らすと後が怖いからなぁ…。」


 そう言って霞はお猪口に残る酒を一気に煽り席を立つ。


 「おっちゃーんお勘定頼むで!」


 「あいよ!まだまだ飲めると思ったんだけどどうしたんです?」


 「こわーい軍師様がお冠でウチをお呼びみたいなんで今日はこれで終いやな。」


 「そうですか。またのお越しをお待ちしております!」


 そう言って店主と思しき男性との会話を切り上げて霞は入口に立つ迅重の所に来る。


 「ほな、行こか。」


 酒屋を後にした後、霞を伴った迅重は城へと戻るのであった。




 ―オマケ―


 「霞ー!」


 「堪忍してぇな!」


 「まだやってるのな…。」


 あの後、詠にSEIZAとOHANASIを受ける霞を城の兵士が目撃するのであった。


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