虎牢関の戦い(11) 迅重VS魏&白馬隊
「行くぞ!ハアァァァ!【猛虎蹴撃】!」
楽進の氣弾を穂先で弾いた迅重が次に目にしたのは氣弾の陰に隠れて螺旋槍を手にして突撃してくる李典である。
「っち!」
舌打ちし、迅重は跳躍して躱すがそこに差し込む影があった。
「これで・・・どうなの!!!」
「(今度は于禁だと!?)っくそ!!!!」
螺旋槍を躱し、飛んだ先には既に先に飛んでいた于禁が迅重目掛けて双刃を振るう。なんとか防御が間に合ったものの地面に落とされてしまう迅重。
「・・・後の魏の三羽鴉の連携を甘く見ていたか。」
「鐵迅重!今度こそ終わりだ!我らに降るのならよし。降りぬならば斬る!」
夏候惇の言葉を聞いた迅重は脳裏にあのか弱くも自らの信念を持った心優しい少女が、強気ながらも周りの事を考えてくれて自分の事を考えない不器用で愛おしい少女が・・・浮かんだ。
「(月、詠・・俺はまだ負けないから・・・そっちも頑張れよ!)悪いがその誘いは受けられないな・・・!」
「っな!?」
迅重は夏候惇が驚く中で一足で跳躍すると朱雀の炎で更に上昇し、ある程度滞空出来る場所まで上がると槍をその場で回し始める。
「・・・炎の使い方にはこんな事も出来るんだ。威力は最小限に抑えて・・・未来の兵器のクラスター爆弾。それを炎のみで再現した技だ!【火焔流星群】」
回している槍の周囲に野球ボール位の火球が無数に現れ、それが地面目掛けて降り注ぐ。着弾した場所は小規模な爆発を起こすがそれでも半径五㍍は吹き飛ぶ位の物で敵兵は容赦なく吹き飛ぶ。勘の良い兵や将は飛び退り難を逃れたり馬を駆使して駆けていた。
「な、なんだアレは!?」
「凪、此処は撤退や!」
「それが正解なの~。部隊は甚大な被害で士気も低下しちゃってるから・・・」
「しかし・・・」
驚愕する凪に真桜が撤退を進言し、沙和もそれを肯定するがそれに対して難色を示す凪
「どうする・・・この場を退くのであれば見逃すが?」
しかし、そんな凪の事を知ってか知らずなのかそう告げる。しかし、指揮官である前に一介の武人である三人には屈辱的な言葉に聞こえていたのである。
「・・・悔しいけど此処で怒りに任せても碌な事にはならんっちゅう事は把握しとる。」
「此処は我慢なの・・。」
「・・・我々は此処で撤退する。我々が勝つまで負けないでほしい。」
「・・・さてな。此度の戦いでまた姿を暗ますかもしれんが?」
「その時は探し出すまで・・・!」
「その頸」
「洗って」
「「「待っていろ (なの)!!!!」」」
それだけの事を宣言して三人は後方に向けて部隊を再編しつつ後退していくのである。
「さて・・・それで夏候姉妹はどうする?三羽烏は撤退したがお前達は」
「念の為の殿だ。」
「お前の事は信用してはいるが一応敵なのでな」
迅重は楽進達の後ろ姿を見送り、そのまま横に視線をずらせば此方に武器を向けている夏候惇と夏侯淵の二人を見据える。
「そう・・か。」
迅重はそう呟くと朱雀を手元から消して踵を返す。
「何処に行く!?」
迅重の行動に夏候惇が当然の様に叫ぶ
「・・・陣地に帰るだけだ。他の者達もそろそろ決着が着く頃だろうしな?」
「・・・私達が無防備な状態のお前に攻撃するとは思わんのか?」
さも当然のように言う迅重の言葉に夏侯淵は試すかの様な言葉に迅重は苦笑する
「アンタ達は何よりも誇りを尊ぶ者達なんだろ?そんな卑怯な事をするとは到底思えんが・・・?」
そう皮肉る迅重だが内心では腑に落ちない物がある事を感じていた。
「(しかし、この何とも言えない気持ち悪い氣の流れと言うか空気が禍々しく感じる・・・)気の所為であればいいが・・・」
迅重の独白は誰にも聞かれずに風と共に流れるのであった。
久々の投稿ですが楽しんでいただければ幸いです。
そしてお待ちかね(?)のアンケートの中間発表~!
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蜀0.五票
これからも恋姫夢想 天の御使いと地の御使いをよろしくお願いします。




