虎牢関の戦い(6)迅重& 呂布VS関羽&張飛
「・・・恋の相手はお前達?」
「相手は飛将軍呂布か・・・」
「愛紗、気を付けるのだ。あいつはめちゃくちゃ強いのだ。」
方天画戟を構える呂布の目の前に立塞がるのは蜀の武将・・・関羽、張飛の二人である。
「先手必勝なのだー!」
「ま、待て鈴々!」
張飛は自身の獲物【丈八蛇矛】で呂布に斬り掛かる。その体躯の小ささで小回りを利かしながら攻撃を仕掛ける。
「・・・軽い。」
しかし、呂布には効いておらず戟の一振りで簡単に張飛は関羽の足下に転がされる。
「・・・お前は来ないのか?」
「鈴々の様にはいかんぞ!はぁぁー!」
【青竜偃月刀】を手に関羽は呂布に一気に近付き突き、薙ぎ、切り払い、唐竹、石突き・・・多種多様の攻撃を虚を交えながら連撃として放つがそのどれもが呂布に届く事は無かった。
「・・・弱い」
「きゃぁぁぁぁ!?」
関羽が偃月刀を振り切った姿勢の所に呂布が戟の石突きの部分を使い関羽を横に吹き飛ばす。
「・・・お前達弱い」
「っく!?」
「強すぎなのだ!」
「・・・今です!」
「ッ!?」
バサァッ
関羽達に迫る呂布だが不意に声が聞こえ上を向くと網上の物が呂布の上に被さってくる。
「・・・なんとか上手くいったかな?」
「一刀様・・これはいったい?」
「関羽や鈴々を騙すような事になっちゃったけど呂布を捕らえるにはこうするしかなかったんだ。」
後方から白を基調とした服に身を包んだ北郷一刀と隣に諸葛亮を伴って現れる。
「・・・これを除けろ」
「それは出来ないんだ。俺達に話を聞かせてほしい。」
「・・・話す事は無い。」
「どうしても駄目かな?」
一刀の言葉をバッサリと斬り捨てるがめげずに再び聞くがそれすらも意味が無かった。
「・・・しょうがない。取り敢えず捕虜として俺達の陣営に「そうはさせんぞ!北郷!!!!」」
一刀の言葉を遮り上から大声で誰かが叫びその直後呂布と彼等の間に何かが降り立ち粉塵を巻き起こす。
「な、なんだ!?」
「ッ!?ご主人様を守って下さい!」
呆けていた諸葛亮だが、すぐさま意識を切り替えて一緒に連れて来ていた蜀の兵を一刀の周囲の守りに付かせる。
「・・・恋、大丈夫か?」
「・・・ん。迅重が助けてくれたから」
「そうか。・・・戦場では初めまして・・・かな、北郷?」
粉塵が次第に晴れて行き、目の前に現れたのは網から脱出した呂布と、黒い鎧に身を包んだ・・・かつての学友であり親友であった鐵迅重が現れたのであった。
「な、なんで・・・なんで其処に居るんだよ!迅重・・!!!!」
「・・・おかしなことを聞くな?俺は董卓様の所に客将として仕えている。ただそれだけだが・・?」
「そうじゃない!董卓は・・・俺達の世界では残虐非道の」
一刀が董卓の事について語ろうとした所、一刀の喉元に真紅の槍の穂先が突き付けられる。
「それ以上あの方の事を悪く言うのであれば・・・たとえ同郷だからと言っても許せる事では無くなるぞ?」
「・・・え?周りの兵隊さん達は」
ハッと我に返った諸葛亮が目にしたのは既に地に倒れ伏して呻き声を上げながらも辛うじて生きている状態の自分達の兵であった。
「あぁ、そこらにいたのは邪魔だから潰した。」
何気なく諸葛亮を見た迅重は何事も無い様にそう告げる。諸葛亮からしてみれば一刀と同じ天の国から来た人間とは思えず、知らず知らずの内に顔を蒼くし、体が震える。
「そんな・・!?|(ご主人様と同じ世界から来た人なのにどうして平然と人を傷付けられるの!?)」
「・・・その顔は俺が平然と人を傷付けているとでも思っている様だな?」
「・・・迅重はそんな人間じゃない。恋にもねねにも優しい!」
悲鳴を上げる諸葛亮だが・・そんな彼女を前に迅重は彼女の心の中をまるで見透かすように告げる。しかし、そこで以外にも呂布が普段の様子からは見られない憤怒の表情で諸葛亮を・・・天の御使いの北郷一刀を見て叫ぶ。
「恋、良いから。それよりも霞達の応援に行ってくれ。どうも夏候姉妹に苦戦している様でな・・。向こうの軍師も中々に優秀のようだし、恋と近衛隊は霞達の応援に行け。」
「・・・大丈夫?」
「俺は大丈夫だ。恋は霞達を助けて来てくれ。全部が終わったらまた肉まんでも食べに行こう。」
「ん・・・約束。」
「分かった。約束する。」
頭を軽く撫でてやるとくすぐったそうにして恋は微笑む。
「じゃ、そっちは任せた。」
「・・・ん。」
そうして恋は迅重から見て左翼の戦場に走って行く。
「それで・・・むざむざ行かせてよかったのか・・・?」
「止めようとしたらこっちがやられているだろうからね・・・」
「よく・・・分かってるじゃないか。北郷」
「もう・・名前で呼んでくれないのか・・・。」
「戦場に立つ者同士・・・情に絆されてどうする?俺は俺の道を行き・・・立塞がる者は倒す。そして・・・護る者の為に力を・・・使う!!!!来い【玄武】!」
黒い鎧が変色し、深緑色の鎧となり・・・西洋甲冑から形状が異なり、手甲と脚甲の様な物となり・・・更に急所を守る形で甲羅の様な円形の物が肘と膝と胸の部分を覆い、防御力を向上した形となり鎧の上から外套を羽織る形で闘衣の様な物へと変貌する。
「・・・これが護ると決めた俺の覚悟だ!董卓様の所に行きたくば俺を・・・殺してみろ・・・北郷一刀ぉぉぉぉぉぉ!!!!」
装備がガラリと変わり、困惑する者達を尻目に迅重は一刀に向けて獣が咆哮するように叫ぶ。
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