引き合う龍と竜、そして鳳(2)
オリジナルキャラである姜維の真名は藍となりました。アンケートに応えて下さった方々ありがとうございます。これからもこの小説をよろしくお願いします。また今回は彼女の真名を呼ぶ場面はありませんが次回からは迅重が呼ぶときには真名を使って行く予定です。
「彼女が俺に会わせたい子か・・・?」
「鳳統って言う子や。むっちゃ可愛ええやろ?」
天幕に入った迅重、姜維、星の三人は目の前にいる少女を霞に紹介される。
「 霞・・・ それではどうして彼女が迅重に会いたいのか要領を得ぬぞ?」
「あはは、堪忍や。まぁ、簡単に言うと鳳統ちゃんは2人いる御遣いの内の一人である迅重に会いに来たっちゅう事や。」
「あ、あの・・・地の御遣いの方は」
「・・・俺だけど、何故今になって?会おうと思えばいつだって来る事は出来た筈だが・・・」
「あの・・・私が来たのがこの戦が始まるちょっと前で」
「で、虎牢関にこの子が来て迅重に会いたいっちゅうもんでウチがこの天幕で待つように言うたんや。」
ドヤ顔で言う張遼に対して迅重が頭を小突く
「っ痛!何すんねん!?」
「霞は少し自重しようか・・?それとも俺とジックリとOHANASIでもするか?」
抗議する張遼に向けて迅重はそう告げる。泗水関の時、華雄がOHANASIされた時の事を思い出して顔を蒼くして身震いする。
「わ、分かったわ・・・。」
「さて、話を戻そうか・・。とその前に自己紹介をしようか。俺は鐵迅重と言う。そして巷では地の御使いと呼ばれている。」
「わ、私は姓は鳳、名は統で字名は士元と言います。」
「では鳳統、君には何か出来る事は?」
「出来る事・・・ですか?水鏡先生の所で習い事をしていた位で・・」
「ああ・・、水鏡塾の生徒か?なら・・・華雄、お前の所に軍師として入れてくれ。」
迅重の言葉に姜維を除いた面々が驚く。
「ちょ、ちょい待ち!迅重、そらいきなりは無理やで!」
「そ、そうだぞ!こんな少女に軍師と言う仕事が務まるものか!」
「・・・鳳統士元。俺の世界での話だが後世に名を残すほどの者で諸葛亮孔明と評し並べられるほどの人物で、二人を合わせ伏龍鳳雛とも呼ばれた。だから俺は彼女を猪突猛進気味の華雄に抑制役として軍師見習いとして起用する。・・・後で賈駆に怒られるかもしれんがな・・」
慌てる張遼と華雄を尻目に迅重は静かに告げる。最後の方は苦笑気味であるが
「改めてよろしく頼むな・・鳳統。」
「は、はい!あ、あの私の真名は雛里と言いますよろしくお願いしましゅ・・噛みました・・。」
「あぁ、よろしく頼むな雛里・・。」
そう言って鳳統と握手を交わす迅重
「では私の方も真名を預けさせて貰えますかな・・?」
「趙雲・・君もか・・?」
「はい。今の会話を聞いていてますます気に入りました。どうか私の真名を預けさせて貰えないでしょうか・・・。」
「・・・分かった。それで趙雲、君の真名は」
「星と言います。地の御使いたる迅重殿ではなくただの鐵迅重殿に御仕えさせてください。」
そう言って趙雲・・・星は臣下の礼を迅重に取る。
「此方からもよろしく頼む。次の作戦は完全に時間稼ぎだからそこそこ粘って敵を攪乱しつつ確実に敵を減らす。その為にも雛里、ねね、俺の副隊長をしている姜維だが軍師も兼ねているのも含めて三人の軍師に策を練ってもらう。それを使い董卓様を護り、無事に郊外へ逃がす。俺達の目的は既に決まっている。董卓様の無事・・そして全員が無事に董卓様の下へと戻る事!」
「ああ!」
「当たり前や!」
「わたしは隊長のお側に・・」
「わ、私も頑張りましゅ・・!」
「(・・・これぞ私の求める御仁)わたしも迅重殿の下でこの武が振るえる事を喜び敵を食い止めて見せましょう!」
各々が応え、士気が上がる。迅重達の戦いの正念場とも言える虎牢関の第二局面が切って落とされようとしていた。
今回で鳳統、趙雲の二人が董卓陣営に参入を果たしましたね・・・。アンケートに答えて下さったZiziさん、あっぱっぱさんありがとうございます。これからも何かしらアンケートを立てる事かと思いますがその時にはまたお願いします。




