汜水関の戦い(3)
「ッく、華雄は何処に・・・」
「鐵迅重、見つけたぞ!!!!」
戦場を駆け抜けていた迅重の目の前に、多数の兵士を引き連れた黒髪長髪の女性、夏候惇と薄い青色の髪の女性、夏侯淵の2人が現れる。
「こんな時にッ!」
「すまないが大人しく捕まってくれると助かるのだが・・。」
「勿論、抵抗してくれるなら喜んでこの七星餓狼の錆にしてくれる!!!!」
「姉者、それは駄目だと言ったではないか。」
「む・・・そうだった。だが、手加減して勝てる相手でも無い。」
そう言って肩に担ぐ様にしていた大剣【七星餓狼】を両手で構える。
「はぁ、こんな事している場合じゃないって言ってるのだが・・・」
対して迅重もまた両手に持つ朱雀を中腰に構える。
「姉者、助太刀するか?」
「援護は任せる!お前達の敵う相手では無い、下がっていろ!」
そう言って夏候惇は駆け出し、その後ろから先手必勝とばかりに夏侯淵が数本の矢を瞬く間に迅重に向けて放つ。
「遠近の二人組・・・普通の兵士ならそこまででもないがこれほどの猛将相手では面倒でやり辛いことこの上ない・・・な!!!!」
迅重は一足飛びで後ろに飛び退きながら飛来してくる矢を払い除ける。
「そこだ!」
「喰らうか・・・よ!!!!」
「フッ!」
「んなッ!?」
そして、片方の武器で払った後に夏候惇が迫り剣を振るうが迅重は身を捩りながら振っていない槍を勢いを殺さずに薙ぐ力として振るうがそれを振り切った所から無理やり戻した剣で防ぐ夏候惇に驚く。
「んな無理な運動すれば体を先に壊すぞ?」
「なら壊れる前にお前を倒して華琳様の御前に連れて行く!でやぁっ!!!!」
「ッち!?烈火衝裂破」
上段からの振り下ろしに対して迅重は正面からの面制圧をする為に無数の連続突きを持って迎え撃つ。
「流石は地の御使い・・・なかなかやるな!」
「そう言うお前は力が強すぎなんだよ!重すぎるわ!」
右腕が痺れているのか庇う様に左手で腕を掴んでいる迅重に対して夏候惇は体の至る所に無数の裂傷が出来ていた。
「ッ!?夏候惇!そこを退け!!!」
「ッな!?」
睨み合っていた筈の2人だが、突如迅重が夏候惇の近くに一息で近づくとそのまま夏候惇を突き飛ばす。そして、そんな行動に驚き尻餅を突いた彼女の頬に数滴の血が付着する。
「・・・え?」
しばし呆然としていた彼女だが迅重の二の腕に一本の矢が刺さっている事を認識すると慌てて武器を置いて迅重に近づく。
「お、おい!大丈夫か!?」
「この位の傷、どうと言う事は「私の事は良いから先ずは自分の傷の手当てを優先しろ!」しかし、まだ華雄を見付けて「なら我らが見つけ次第其方に送り返そう。」夏侯淵・・」
「姉者を助けてくれたのだ。敵だと言って恩を仇で返すつもりは無い。なに、借りを作ったままでは後で華琳様に何を言われるのか分からないのもあるがな・・?」
そう言ってクスリと笑う夏侯淵。そして、呆気に取られた迅重だが次の瞬間には溜め息を吐いていた。
「まったく、借りとか恩とか言ってる間に利き腕を怪我した俺なら簡単に討ち取れるのに可笑しな奴等だな・・。」
「お前との決着は傷が癒えた時にでもつけさせて貰う。それまで死ぬんじゃないぞ!行くぞ秋蘭!華雄とやらを探し出して近くにいる黒龍隊の兵士に引き渡すぞ!」
「あぁ、承知した。それではな・・。」
夏候惇は言うだけ言ってノシノシと去って行く中、夏侯淵は軽く会釈した後に夏候惇の後を追う。
「・・・変わったヤツラだな。」
「迅重様、御無事・・その傷は!?」
「副隊長、俺は一旦下がるが・・・華雄将軍の事」
「その事なんですが華雄将軍なら既に撤退済みの様なのですが・・・」
副隊長の言葉に俺の思考は今いる場所が戦場だと言うのに一瞬だけ凍りつく。
「・・・華雄の奴は既にこの戦場にはいないのか。」
「は、はい。牙門旗も華雄隊の兵士の姿も無いので恐らくはある程度暴れて満足したのかと・・・。」
「そうか・・・戻り次第、華雄とは一度じっくりと話をした方が良いのかもな?フフフフ・・・」
その時に様子を後で聞くと戦場にいた多数の兵士が逃げ去るほどに凶悪な笑みだったと言う。
只今のアンケート状況報告
関羽 四票
張飛
趙雲 三票
馬超一票
黄忠二票
諸葛亮
鳳統 四票
厳顔
魏延
馬岱
公孫賛一票
現在の集計結果はこの様な感じになっております。月末まで募集しておりますのでこの人は入れてほしいと言う方はメッセージか、感想などで気軽にコメントをお願いします。




