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迅重、覚醒するとのこと

リアルが多忙で久々の投稿ですが満足いく出来になったか微妙なところです。楽しみにしてくれている事を願っています。

 


 迅重が董卓邸で療養する事になって数日…


 「…月、まだ黄巾党の鎮圧には掛かりそうなのか?」


 「はい、まだ各地に散らばっている者が多く本隊の方にもまだ近づけていない様で…」


 「今回の作戦の主導は誰が…」


 「袁家の者が執っている筈ですが…」


 「袁家…?という事は袁本初か」


 現在、庭の縁側にて月の明かりの中で月と迅重の2人で話をしていた。その話は現在の騒乱…黄巾の乱についてなのである。


 「はい。わたしも一度しか会っていないのですが…なんといいますか…」


 「どうしたんだ?何か問題でも?」


 「はい。性格に難があり、更には途轍もない浪費家の様で彼女の統治する地は貧民が多く出ている様なのです…。」


 月の言葉に迅重はそれに呆れてしまう。


 「執政者なのだからいくらかの贅沢は良いと思うが民があっての王なのにな…頭の中はお花畑の様だな…。」


 「それは…あまり大きな声で言わない方がいいですよ。何処で間者が聞いているか分かりませんから…」


 「そこまで気にする事なのかな…。」


 「それよりも私は迅重さんのお話が聞きたいです。」


 「俺の?」


 「はい。詠ちゃんの話だと天の国のお話をしてるみたいじゃないですか!私にも聞かせて下さい!」


 月がこれでもかというくらいに詰め寄って自身が話題を変えた事も忘れる程に鬼気迫る勢いで迅重を見る。


 「ってもなぁ~、そんなに自慢話みたいな物はないんだがなぁ…爺さんの言った事とかなら色々とあるんだけどな…。」


 「お爺さんの?」


 「そいうだな…たとえば「人は過ちを繰り返す生き物で愚かな生き物だ。だが、その反面。学び、覚えて成長する。そんな者を見ているのが楽しいのじゃ。」などね…。他にも「己の学んだことを生かせるように精進せよ」とか…。「迅重、これは覚えておくのじゃ。人を殺めたのならどんな人物であろうとその者の命を背負うのじゃ。王であろうと貴族であろうと人は死んでしまえば皆同じなのじゃからな…。否定すればただの殺人者じゃ。受け入れて生き抜くというのならそれは覚悟となるのかも知れんからの…。」ってな…。あぁ、そうか。爺さんはそう言う事を言いたかったんだろうな…。」



 「どういう事でしょう?」


 「それは…月、危ない!」


 「え、きゃ!」


 急に月を抱き上げて縁側から中に転がる迅重。


 「何が…」


 そこで月が目にしたのは月下に煌めく白刃の刃、そして黒い装束で身を固めた3人の人間。


 「お前が董卓だな…」


 「貴様の命…」


 「貰い受ける!」


 3人は通常の出回っている幅広の剣ではなくやや短いながらも取り回しと小回りの利く小太刀に似た剣を使っている。


 「ちぃ!完全に暗殺者とかそういった類の人間かよ!」


 迅重は袖口から旋棍を取り出して連結させると月を庇いながら迫る凶刃を捌くが幾つかは掠るなどしてしまう。


 「…可笑しい、何故これだけ騒いでいるのに屋敷の人間が出て来ない?」


 「そんな物は簡単だ。ただ単に騒がれるのが面倒なだけだ。目的は董卓の暗殺もしくは捕縛が命なのだ。眠って貰っているだけだ…」


 「結構話してくれてるけど…お前が指揮してるのか?」


 「否、我々は複数で1であり1で複数なのだ。」


 「いや、訳わかんねぇから。取り敢えず月の命を狙ってるって事だよな・・・?」


 「迅重さん・・・」


 迅重は白刃をチラつかせながらもにじり寄る三人の様子を見る。


 「(様子からしてかなりの手練れだよな・・・。人を殺した事がトラウマになってる奴が殺り合うって事事態可笑しい事なんだが・・・どうする?)」


 迅重は思考しつつ相手に感付かれない様に周囲を確認する。しかし、ある物は自身の持っていた旋棍んのみである。


 「董卓を素直に此方に差し出せばお前の命だけは見逃してやる。」


 「嘘だな・・。お前達みたいな生業をしている奴が目撃者を残す筈がねぇだろ・・・。|(どうする!?向こうは三人・・・こっちは確実に戦いに向かない月とトラウマ持ちの戦力外・・・。簡単に克服出来る物じゃない・・・)《力が欲しいか?》ッ!?誰だ!?」


 「迅重さん?」


 内心で焦り考えを巡らしていた迅重は急に頭の中に直接聞こえてきた声に驚き声を大きく張り上げ周囲を見渡すが誰もおらず逆に月は心配になり迅重の袖を軽く握り、声を掛ける。


 《ふふふ、お主のみにしか聞こえておらんよ?それでもう一度だけ問うぞ?力が欲しいか?何者にも負けぬ力が?それとも・・・護りたい者の為に振るう力か?》


 「(・・・どう言った意図でそんな質問しているのかは知らないが、俺の答えは決まっている。短い時間だがそれでも見ず知らずの俺をただ・・・【地の御使い】として利用して捨てればいいものをそれをせずに助けてくれたこの子達の為にも・・・護るための力が・・・そしてそれを貫くだけの強い力が俺は欲しい!!!!)」


 《・・・お主の言葉しかと受けた。ただの力ならば貸しはせぬが・・、その言葉を聞いて安心した。これより四神の一柱こと【朱雀】の力を受取るが良い。》


 頭に響いていた声がそう告げるのと同時に旋棍の代わりに二振りの真紅の槍が握られていた。


 「「「ッ!?」」」


 「・・・これは!?爺が使っていた」


 《お主も見た事があるであろう?そして使い方も握り方も既に記憶が、身体が覚えているであろう?》


 「嫌って程にな・・・それにこの感じ・・。あのオカマ野郎が渡した腕輪が媒介だな」


 急に迅重の両手に現れた武器に驚き掛けて来る暗殺者達の姿がとても遅く感じながら迅重は頭に響いてくる声の主【朱雀】に応える。


 《この力をどう扱うのかは主次第だ。見させて貰うぞ?そして真に認めし時、この朱雀の全ての能力を授ける。今は仮の姿。されどその力は人智を超える。使いこなして見せよ。鐵家の後継者、四神の担い手に成り得る者よ・・・》


 その言葉と共に朱雀の気配が消える。


 「やってやろうじゃないか・・。あのクソ爺をも超える四神使いになってやるよ!」


 迅重はそう叫ぶ。そして、急な迅重の態度と雰囲気の代わり様に駆けていた暗殺者が金縛りにあったかのように動きが止まる。そんな中、迅重は月を見る。


 「月、安心しろ。俺がどんな奴からも護ってやるから・・・。月だけじゃない、詠に霞、華雄も・・・護って見せるからな?」


 槍の片方を置いて月の頭を撫で、その裾を掴んでいる手をやんわりと解く。


 「・・・直ぐに片付ける。だから」


 「待ってます。迅重さんが勝つことを信じて・・。」


 迅重が最後まで言うのを遮り、月が曇りのない目で迅重を見てそう告げる。それに迅重は苦笑して・・。


 「そこまで信頼されてるのならさっさと終わらせないとだな。」


 置いていた槍を手に取り迅重は一息で暗殺者達に肉薄する。


 「(体が軽い!?これなら・・・いける!)」


 「ぐぁぁー!?」


 「クッ!?後退だ!」


 熟練の者でも今の迅重を捉えられるものが果たしているであろうか?今までの迅重の動きから見ても常人には捉えられずとも達人級の者ならば容易かった筈・・だが、四神の一柱である【朱雀】の力を手に入れた今、更なる高みへと上りそして覚悟を決めた今の迅重を止められる者などこの場には存在しない。


 「逃がすかよ!空破・・熱風陣!!!!」


 吹き飛ばし、後退しようとしていた暗殺者達の目の前には槍を腕を広げる様にしており、迅重がその真紅の槍の力を開放し、熱波の竜巻が暗殺者を包み込む。


 「朱雀・・・または鳳凰と位置づけが変わるもののその炎は全てを灰燼に帰す。月を・・・俺の護る者を標的にした事を悔いて逝きな。」


 腕を水平に広げた状態から戻った迅重は未だに燃え、回る竜巻を見上げてそう呟く。


 「月!・・・これは一体!?」


 そしてそこに丁度良く侍女と共に駆け込んでくる詠。そしてその場で巻き上がっている炎の竜巻を見て絶句する。


 「詠、心配かけてゴメンな?これより地の守護者鐵 迅重、董卓軍の戦線に復帰する。」


 徐々に弱まる炎の竜巻を背に迅重はそう月と詠の2人に告げて糸の切れた人形の様にその場に倒れる。


かなりの御都合主義な感じですが、最後の迅重が倒れた訳はいくら人外な鍛え方をしていようとも神に等しい力を慣れていない状態で使えば反動でこうなるのではと思いこうなりました。何か質問があればメッセージまたは感想などでお願いします。

また更新はもう一作の一次創作も並行し尚且つハーメルン様の所でも書かせてもらっていますが一週間に1、2回は更新できるように努力しますので長い目で見て下さい。

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