第1話 娘の相手
娘の一葉は今度結婚する。仕事もしながら20代後半で結婚するのは今の時代理想的だ。可愛い一人娘が結婚してしまうのは寂しいが、母親としては娘が行き遅れなかったことに少し安堵もしていた。
ただ気がかりなのは、まだ娘の相手と会っていないことだ。
娘から結婚することを先に聞いたが、まだ挨拶もなければ両家の顔合わせ、式の日取りも未定という。
娘の勝手な思い込みで突っ走っているのでは、と心配になり娘に聞いたが彼氏と結婚することは間違いないらしい。
夫も娘のこの状況を案じて、娘に彼を連れてくるよう優しく話している。
夫は妻である私にも優しく結婚して数十年たつ今でも私を気遣ってくれる。そんな夫だけに、娘に対してはそれはもう目に入れても痛くないとばかりに可愛がって育てていた。
娘もそんな父親の気持ちを理解してか、今度連れてくるよと承諾してくれた。
承諾する云々の前に連れてくるのが普通なのだが、娘に一人暮らしをさせずこの家でずっと同居していたせいか、少し娘も世間知らずなところがある。それは親の責任でもあるのだが。
親の自分が言うのもなんだが、娘は優しく謙虚で勤勉なのだが、どうも少しふわふわしたところがあり、変な相手にひっかかってはいないか心配もある。




