第10話「魔人の正体」
「よし、お前!通っていいぞ!」
軽く会釈して関所を抜けていく。案外あっさりとした検査で、入街が許可されて驚いた。正直言って、これまでの経験からすんなりとは物事が進まないモノだと思っていた。いやしかし、普通の人間は普通のストーリーを進んでいくものか?
街に入ってすぐのところで2人の検査が終わるのを待っているとハイネがまず出て来た。
「おお!アレク入れたの〜」
「いや普通に入れるでしょ?」
「いや〜、元王子で記憶喪失の怪しい男は入れ辛いよ〜普通」
「それを言われると弱いけど、魔人とは関係ないし…」
「まあそれもそうだね。探しているのは魔人だし。」
「ステラも大丈夫だよね?」
「うん?ダメじゃない?普通」
「え?何で!?」
「だってステラは魔人だもん。」
嘘…信じられない。いや、それこそ嘘か。何となく怪しいとは思っていた部分はある。だとしても、だとしてもだ。本当に魔人って言われると驚く。
「ちなみに僕も魔人」
ニコニコしながら平然とハイネは言った。しかしこれは予想できた。なのでステラの時ほど驚かない。
「意外と魔人ってたくさんいる?」
「アレクの想定では、どのくらいいるのか分からないけど、存外多いんじゃないかな?関所の人も魔人だし。」
「嘘!?それは本当に驚いた!だって…」
「だって肌が灰色じゃないし白髪ではないから?」
「そ、そうだけど…」
「別にアレクが申し訳なさそうにする必要はないよ。関所の仲間は魔法で姿を変えているんだ。ちなみに僕らの協力者だったりもして、そのおかげですんなりと街に入れている。」
「何話してるの?」
「ああ、ステラも無事に入れたか。魔人の正体と僕らの正体をね。」
「ええ〜私から話したかったのに。まあいいか。ヨハンは話が長いから、無駄に時間かかちゃった。」
「ヨハンからは何か聞けた?」
「もう既に新人ちゃんは姿を消しているということと、クレーターの規模がいつもよりも小さかったってことだけかな。近くに住居も無かったから、誰もクレーターの発生は見てないだろうって。」
「いつも通りか…」
「ねぇ、早く帰ろうよ。みんな待ってるだろうし。」
「それもそうだね。行こうか。」




