マムシ7
信じ切って疑うことをしないヒカリを、コロニーから引き離すのは、簡単だった。
飽きっぽいヒカリに旅を続けさせるのは少々骨が折れたが、死神に変装することで乗り切った。
クサギ族の長には眠ってもらった。
ヒカリを殺そうとしたから。
アザミ族には滅んでもらった。
塔の周りの巨人に、緑の人々を刈り取らせたかったから。
新しい種を蒔く前には、雑草を根絶やしにしなければならない。
巨人たちは、クサギ族の上に巨石を落とし、その上を通っていった。
今ごろは、コロニーを次々に蹂躙しているはずだ。
ヒカリは、カオスと会うなり、濃厚にからみ合った。
けもののように、交接せねば子どもを生み出せない、下等な人種なのだ。
二人の腹中のタネは人の形に育ち、いずれ二人の脇の下から生み落とされるだろう。
それは肌が緑ではなく、口から動植物を食べ、根をもたないヒトだ。
そして、「成り合わぬところ」がある個体と、「成り余れるところ」がある個体とに、はっきり分かれるだろう。
塔の予言通りならば。
生まれた子どもたちは、親から隔離する。
ヒカリとカオスには、せっせと子作りに励ませる。
子どもたちを教育するのは、この、わたしだ。
新しい人類の神として。
神に仕えるしもべどもを。
そうして、やっと、わたしは自分の子を生むことができる。
タケルが言いたかったのは、その事に違いない。
だれからも虐げられず、蔑まれぬ、理想郷。
幸せを約束された地で。
ささやかな願いをかなえるため。




