支援者9
ひどい音が、止んだ。
ヒカリは、師匠の身体を押し上げて、這い出た。
まぶしさに、目を細める。
岩天井にぽっかりと開いた穴から、白っぽい光が大量に注ぎ込んでいた。
ヒカリは、しばらくぶりの日光に身をさらし、辺りを見回した。
穴の下には、大小の崩れた岩が積み重なっている。
そして、そこら中に、最近嗅いだことのある臭いが漂っていた。
ヒカリの胸はぎゅうっと締め付けられた。
自分の心臓の音が、どくどくと、やたらに大きい。
まさか。
まさか、師匠が。
信じたくないけれど、師匠ならやりかねない、とも思う。
「うまくいったな。
さあ、外に出よう」
ヒカリの背後から、師匠の声がした。
ヒカリは、振り返って、師匠をまじまじと見つめた。
師匠は、目をきらめかせて、ヒカリにほほえんだ。
口元が横にゆがんだので、たぶん、ほほえんだのだろう。
「あやいおうい……」
「なんだ、びっくりしたのか?
わかったから、まだ声を出さない方がいい。舌をいたわりなさい」
アザミ族に、何をしたの?
ヒカリは、そう、問いただしたかった。
あの、アザミ族を焼いた火は、きっと、師匠の、しわざ。
なぜ?
ヒカリを助けるために?
でも、あんなにたくさんの人を殺す必要なんて、なかった。
通行できないのなら、あきらめて、来た道を引き返せば、ヒカリはそれでよかったのに。
目的地にたどり着きたいのなら、アザミ族は、たしかに手ごわい障壁だったけれど。
目的地。
「塔」は、師匠にとって、そんなに大事な場所なのだろうか?
コロニーひとつを、根絶やしにするほど?




