支援者4
師匠は、ヒカリをせきたてた。
ヒカリはよろめきながら、なんとか入り口にもぐりこんだ。
後から続いて入って来た師匠は、後ろ手にどこかをさわった。
石の板がごりごりとずれて、入り口は隙間なくぴったりと閉じられた。
「まっくらだよ、師匠!」
ヒカリの大声に、師匠はぼそっと答えた。
「しばらくじっとしていなさい。すぐに目が慣れる」
轟音が和らいでいることに、ヒカリはやっと気づいた。
かえって、耳が変に感じる。
目が慣れると、階段の下の方はほんのりと明るいようだ。
「もっと下に行こう。ここは、巨人の重みに耐えられないかもしれない」
師匠の言葉に呼応したように、ぱらぱらっと、小石が降って来た。
あわてて階段を下りながら、ヒカリは、ぞっとした。
「入り口が埋まったら、ここから出られなくなるんじゃない?」
日光が届かない地下にとじこめられたら、死ぬしかない。
師匠はどうだかわからないが、少なくとも、ヒカリは生きられない。
「大丈夫。むこうに出口があるはずだ」
「本当に?」
ヒカリはまた、師匠の後をついていく。
大人が数人余裕で並べるくらいに、岩を穿って造られた、広い通路。
なめらかに起伏している岩肌が、濡れたように光っている。
何かが発光しているのだろう。
足元が見えるのは助かるが、ヒカリの肌の感じでは、日光ではなさそうだった。
ゆうべからこっち、日光を浴びたのはほんの一瞬だ。
さっき感じた空腹が、痛いほどよみがえってきた。
「師匠……お腹が空き過ぎて、どうかなりそう……」
「もう少し、がまんして」
「がまんできないよ。もう、歩けない……」
ヒカリは、よろめくと岩肌に背を預けて、ずるずると座り込んだ。
少し前を行っていた師匠は、軽く舌打ちして、戻って来た。
「仕方ない。
口を開けなさい」
師匠がヒカリのあごをとらえて、上向かせた。
言われるがまま、ヒカリはぼんやりと口を開けた。
師匠は頭からフードを乱暴にむしり取ると、顔を近づけ、ヒカリの口にいきなり吸い付いた。




