トーナメント試合1
サーザンランドで開かれるトーナメント試合に私も招待をうけたので、陛下からエルシーナを借りて旅行がてらサーザンランドへついてきている。
サーザンランドは砂漠とオアシスの国で、インドの宮殿の様な王宮の一画に通された。金の装飾と大理石の床がすごく豪華。
レスターとクロム君は子供部での出場だって。四歳と0歳なのに、上は十四歳までの枠なので実はめちゃくちゃ心配している。
「二人とも怪我だけはしないでね?お願いよ」
クロムくんは私の膝で上を向いてにっこり笑う。
レスターは「木刀じゃなくて真剣でやりたいよな~」とブツブツ言っている。
「クロムもレスターも出場は初めてか。優勝と準優勝をとってこい。そしたら二人に刀作ってやる」
リヒト様がニヤリと笑う。
「怪我なしだったら!を追加します!!十四歳のお兄さんと当たったらどうしよう!?」
「相手がどうしようだろそれ。もう一般部でもそこそこ上にいくぞこいつらは」
リヒト様全然心配してない!なんなら私にめっちゃ呆れてる。
「この前は誰が優勝したの?」
「俺」
「その前は?」
「俺」
「真面目に聞いてるのに!」
「真面目に答えているが………………」
真面目に答えてくれないリヒト様は無視してお部屋のクローゼットを見に行くと、砂漠の国の踊り子みたいなスケスケ衣装が何点もかかっていた。
ボワっとしたズボンのものもあるしスッキリしたスカートのもある。総じてヒラヒラしていてスケスケ。でもすごく可愛い。
リヒト様に見られて封印される前にクローゼットの扉を閉めて鍵をかけた。
「お前ら二人は子供部屋に行け。ミリーナが待ってるぞ。明日に向けて稽古したけりゃユアン達を捕まえろ」
二人でふわふわ飛びながら廊下に出ていく後ろ姿を見つめる。お団子みたいに無駄に絡まって飛ぶのは何なのだろうか。
「リヒト様も怪我、しないで」
「何だ?心配してんの?ちゃんとお前に優勝の金の花輪持ってくるよ」
「うん…………今日は王族達と晩餐なんだよね?」
「まぁ外交の一種だな。しかたねぇ。兄上は来たがらないし、俺がやるしかねえ」
陛下はわりと強いらしいけれど、見る方が好きなんだって。あとからこちらに来て観戦するって言ってた。ついでにエルシーナの自慢もしたいらしい。
エルシーナとヴァルファデはルーファス王子の計らいでシーラフと同じ厩に泊めてもらってる。今頃親子三人で楽しくお話ししてるに違いない。
「ミリーナでございます。お支度に参りました」
「はーい!」
外交なんて私にはできないけれど、特に問題はない。王妃でもないし、リヒト様にも特に何も求められていない。私は私らしくいればいいみたい。
クローゼットの中の新品のこの国のドレスはサーザンランドからの私へのプレゼントだろう。
一度着てみたいよね、踊り子のドレス。
紫のヒラヒラしたスカートと、おへその出たピンクの胸当て、後頭部に金の輪をはめて、そこからもスケスケの薄い布を垂らして完成。
あまりにも露出が凄いのでミリーナさんが心配して短い打掛を上からかけてくれた。前だけ短く、後ろに行くに従って斜めに丈が長くなっていて可愛い。しかしこれも透けてるから意味あんのか?って感じ。
髪は衣装に合う様に高いところでポニーテールにゆってもらった。
ちょっと中華風な踊り子が出来上がって大満足だ。
絶対怒られるからギリギリの時間までミリーナさんと自室でお茶をする。ミリーナさんももう分かっていて、お茶の準備もしてあった。シゴデキ。
「つむぎ?行くぞ」
ドアの向こうで声がする。
「じゃ、いってきます!」
「はい、いってらっしゃいませ」
苦笑したミリーナさんに送り出されてドアをあけた。
「は!!!???」
「さ、いきましょ?リヒト様!」
「は?無理。え?煽ってんの?」
馬鹿エロ竜だな。
「煽ってないよ?他国の衣装を着るのも友好を示すいい機会かなって。遅れちゃうから行こう!」
「~~~~~~~~~~~~!?!?」
歩きながら軍服の上着を巻きつけてくる。
着替えろっていいたいの、めっちゃがまんしてるな?
「お前わざとだろ!あとで覚えてろよ!!寝かさないからな!!!!!」
「子ども達の部屋ににげちゃおっかな~!」
「は!?何の拷問?おっ前対応に慣れてきやがって!」
「可愛い?」
「かわ、いい……けど……」
「けど?」
「可愛い……」
(よしよし)




