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2番目の番とどうぞお幸せに〜聖女は竜人に溺愛される〜  作者: 雨香
家族編

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温泉郷2


「反省してください!」


「何をだよ!のぞいたわけじゃねぇだろが!」


 宿の私達の部屋でリヒト様を正座させようと思ったけれど、このエロ竜は全く悪びれない。


 孫と過ごしたいというお母さんに抱っこされてクロム君はお母さんの部屋なので、今夜は私達二人きりだ。


「クレアちゃんはずかしがってお部屋にこもっちゃったんだからね!?」

 

 貸切の広間でのお夕飯にクレアちゃんは来なかった。因みにレアットちゃんは堂々としてた。クロードさんの方がタジタジだった。強い。


「しらねぇよ!あんなリス女」


「何でいつも名前を覚えないの!!クレアちゃん!」


「お前以外興味ねぇからだよ!」


「~~~~~~!?」


 ぐいとひっぱられてあぐらの上に抱き込まれる。


「はぁ、俺の番可愛い。浴衣似合う。エロい」


 全然話を聞いてない!


「お前が肩出すの、可愛くてエロいから見せたくないだけ。めちゃくちゃ可愛かった。ヤバかった。あの場で襲う所だった」


「ヒィッ!そこまでの感想はいらない!!」


 リヒト様は悪い顔でニッと笑って、あいつらにはちょうどよかったんじゃねぇの?と言った。

ちょうどいいなんて事あるんだろうか……。


「私が治してあげられれば良かったのに……」

聖女が治せるのは怪我や病気だけで、欠損を新しく構築する事は出来ない。


「俺も事件の事は詳しくは知らないけどな」  


「事件?」


「あ~、話すと長くなるけど、竜人の子の卵は外部から割らない限り長寿の薬になるんだよ」


「長寿?」


「ああ。一つの卵の殻で二十年ぐらい不老になる。俺は初めてお前と会った時、その殻を優先的にお前に飲ませるつもりだった」


 何それすっごくファンタジー。私は結局番の祝福を授かったからいらなくなったのか。


「竜人の女は卵を産むと夫以外の外部を全て排除する。躍起になって本能で卵を守るんだ」


 人間でいうガルガル期みたいなもんかな?


「貴重な卵は狙われる。だから竜人国は妊婦に王国が用意したシェルターに入ってもらって出産をするんだ。軍がまとめて警備して守る為に。その代わり、産まれた卵の殻は国が管理する」


 それとクレアちゃんの話とどう関係があるんだろ。

話の先が見えない私に苦笑してリヒト様は続ける。


「リス女は早産だったらしい。一月後からシェルターに入る予定だった母親が自宅で出産した。当時の軍が近くで警備しようにも母親が怒って近づけない。自宅周りを警備したけど穴を突かれて野盗に卵を奪われそうになったんだとよ」


 不老の薬なんて、きっとみんな喉から手が出るぐらい欲しいに決まってる。狙われるのは分かる。


「そのゴタゴタで卵を落としたらしい。リス女は未熟児で産まれたんだよ。だから体の形成がしっかりなされないまま産まれてきたんだろ。結局卵は割れて薬としての力も無くなったから、不幸な事件だな」


「そっか……」

なんだかちょっとモヤモヤする。


「私は卵は産めないけれど、妊娠できるのかな」


「卵の形成は子竜本体がするから心配ない。まぁ子供なんて数百年規模で待たなきゃ出来ねぇからゆるく考えてりゃいい」


「ふぅん」

モヤモヤをおいだしたくて、ぎゅっとリヒト様に抱きついた。今夜はこのまま眠ろう。




◇◆◇




 翌朝の朝食には真っ赤な顔をしたクレアちゃんがちゃんと来てくれたので安心した。ルース君が何かとかまいに行っても逃げるのは相変わらずだったけれど。


「人魚の泉があるからね。希少種の人魚を観光に行くよ!」  


 お母さんが張り切って観光ガイドを見てる。

クロム君はお母さんの膝の上。

懐いたな。ちょっと寂しい。


「人魚がいるの!?すごい!!人魚姫に会える!?」


「人魚姫だぁ??まぁ上半身は人間に近いけど、目は皿のようだし、口はサメだしでホラーだぞ?」


「ええぇぇぇ……そんな……夢がない……」


「見た目ばっかりホラーで、温厚な種族だ。力も弱いからうちの国の傘下に丸ごと入ってる」


 リツさんが馬車を手配してくれたのでみんなで移動できた。ルルリエさんも観光に一緒に来てくれて嬉しい。


 馬車が一台なので皆んなには馬車に乗ってもらって、私はテトに乗せてもらう。


「テト、ルルがお留守番になっちゃってごめんね?」


 ルルをなるべく隠しておく為にルルはお留守番なんだって。出る時、額をスリスリし合っていてすごく可愛かった。


「もう見えてきたぞ、あの泉の中に水中都市があって人魚が住んでる。泉って言っても海水だけどな」


 水中都市!!!素敵!


 泉というより湖のような大きさで。ちらほら観光客の姿が見える。


————んんっ!?


 泉近くに見慣れた物を発見して凝視してしまった。


「テト!テト!!あの黒いのの所に行って!お願い!!」


 テトが急に右に向いて私の指示する方へ頭を向けた。


「うおっ!おまっ!そういうのはテルガードじゃなくて俺に言えよ!あぶねぇだろうが!!」


「リヒト様!あの黒いの!!」


「おせぇよ!人魚の食いもんか?気味悪いな」


「あれ海苔!絶対海苔!!あれが欲しい!」


「えぇ……俺の嫁は何故宝石をねだらない……」


 テトからおろしてもらって一目散にかけていく。

リヒト様が慌てて私の後を追う為に翼を出した。


「おま、走んなよ!一人でいくな!さらわれてもしらねぇぞ!」


 匂いをかいでもやっぱり海苔!!見慣れた綺麗な四角い形じゃなくて大きな小判形だけれど、ツヤツヤとしたこれは最高級の海苔ですよ!!


「リヒト様!これ!これ年間契約!!!」


「はぁ~~~わかったよ。その代わり宝石も受け取れよ?リツ!あとはやっとけ!」


 これでクロム君のおにぎりに海苔が巻ける!!!



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