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2番目の番とどうぞお幸せに〜聖女は竜人に溺愛される〜  作者: 雨香
婚姻編

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婚礼の儀


 神社の境内にある屋外の能舞台の様な立派な瓦屋根のついたステージに、式典用のシルバーの軍服を着たリヒト様がエスコートしてくれる。


 白無垢(しろむく)と、十二単(じゅうにひとえ)を合わせた様な真っ白な花嫁衣装を着た私は彼の手を取って静々と歩く。


 四角い舞台の周りでは、招待客達が私達を見上げてる。


「すげぇ綺麗だよ」  

 

 リヒト様はそう言って舞台上に一段高く設置された縁が金色の畳の上に私を座らせ、その横であぐらをかいて座ると楽団の笛の音がやんだ。


 白金の中華風の着物を着た陛下が私達の前に立ち、片手をだして何か魔力を込めたようだった。


 空中に金の文字が浮かび、リヒト様が手をかざすと下の方にリヒト様の署名が浮かぶ。目線で合図されたので、私も同じ様にすると紬•玲林となぜか漢字で浮かんだ。もしかしたら神様に言語は関係ないのかもしれない。


 最後に陛下の署名が浮かんでキラキラと金のカケラになって天に消えていくと、陛下の前に宙に浮いた金の指輪が二つ出現した。

番の結婚に神様からの贈り物なんだと聞いた。

神様がプレゼントくれるなんてすごい。


 どっと招待客の貴族達が湧く。

指輪の交換がなされて、天国の両親も見てるだろうかと思ったら泣けてきてしまって、一番前でアイラさんに抱っこされたクロム君がオロオロしているのが見えた。


「お父さん、お母さん、私、大好きな人と結婚できたの。これからも見ていてね」


 空を見て呟くと、白金の魔法陣が上空に現れてゆっくりと消えていくのが見えた。私が召喚された時と同じ魔法陣だなと、ぼんやり思っていると、隣でリヒト様が左右の床に拳を付けて頭を下げるこの国の最敬礼の礼をとった。

この人の、こういう所が好きだと思う。

私の気持ちにいつも寄り添ってくれる。


 陛下の持った(さかき)から、(さかずき)に雫が垂らされて、リヒト様が(うやうや)しくそれを飲んで婚姻の儀は終了した。


「ツムちゃん!ここからが勝負よ♡殿下だけじゃなく招待客みんなが度肝をぬかれるわよ~~~♡」    


 控え室に帰るとスカーレットさんが手をワキワキとさせて待っていて、その横でルルリエさんがドン引きしている姿が見えた。


「はい!たぶん後から怒られますけど!!」


「いいのよ!婚儀は花嫁が主役よ!!ね?ルルちゃん!」


 急にふられたルルリエさんが、スカーレットさんにドン引きしつつも苦笑してる。


「じゃ、行くわよ~~♡」


 スカーレットさんと、その部下達が私を着替えさせていく。本当はここからの披露宴は伝統的な天女風衣装を着るらしい。


 でも私の作ったのはウェディングドレス。しかも肩のガッツリ出るマーメイドシルエット。マーメイドの部分が丸く広がると裾のレースとパールがキラキラしてとっても綺麗だ。


 髪をふわふわにセットしてもらって、ハーフアップに編み込んでもらう。編み込んだ所に薄いピンクの蓮の花をあしらってもらった。


 最後に長いヴェールを蓮の花から垂らしてもらった所でアイラさん改めお母さんが部屋に入ってきた。手には百合の花で作ったブーケを持ってる。


「おやまぁ、ハイカラだねぇ。娘が可愛いと私も鼻が高いよ。さぁ、行こうかね」


 お母さんからブーケを受け取り、サムズアップしたスカーレットさん達に送り出されて控え室を出た。


 神様はいるのに教会はないのでチャペル風にはできなかったけれど、お母さんにエスコートされてすぐそこの披露宴会場の庭まで歩く。


 バージンロードはないけれど、お母さんには説明をしてリヒト様の所まで一緒に歩いて欲しいとお願いしたのだ。


 お母さんは笑って「一緒におこられてやるよ」と快諾してくれた。


 私が会場に入ると楽団の音楽が変わり、皆の視線が集まったのが分かった。


 リヒト様が振り向いてギョッとした顔をするのが見えて苦笑する。  


 ユアンさんにも事前に説明してあるので、リヒト様がエスコートに駆け寄るのを制止してくれたのが見えた。


 お母さんと静かに並んで歩く。


 リヒト様の手前で止まって、お母さんが私の右手をリヒト様に託してくれた。


「私の娘を泣かすんじゃないよ」


「承知した。貰い受ける」


 儀式でもないし、なあなあになってしまうのはしょうがないかなと思っていたのでリヒト様のセリフが嬉しくてまたちょっとだけ涙が出た。

   

「怒った?」


「花の精が出てきたかと思った」


「ふふふ、あとで怒られてあげる」


「仕置きだな。俺の得意なやつ」

溶けちゃうみたいな顔。私を甘やかす顔。


「どんな時でもエロ竜…………」


「ふぁああああああ、つむぎちゃん、天使いいい!!」


「妃殿下、綺麗……素敵……」


 クレアちゃんとレアットちゃんが駆け寄ってきてくれた。クレアちゃんは結局ルース君の贈った着物を着なかったみたい。好きでも、怖いし申し訳ないと言ってた。ルース君は全然諦めてないみたいだけれど。


「つむぎ、仕置きは後だ。まずは兄上への挨拶と貴族からの挨拶地獄だ」


「はぁい」


 その陛下は王族席から(さかずき)を持ったままこちらに歩いてきてしまっている。威厳も何も無い感じが陛下らしい。


「つむぎちゃ~ん!最高に可愛い!僕の天使!!」


「兄上のではありません」


「ふふ、ありがとうございます。婚儀も陛下のおかげでつつがなく終えることが出来ました」


「り、リヒト、頼む、ちょっとだけ、ちょーーーっとだけ紬ちゃんを王妃席に座らせてもいい?目に焼き付けるから!!!」


「駄目です」

でたな駄目です攻撃。これしか言わなくなるんだよなぁ。


「一瞬!一瞬だけ!!!一生のお願い!!!」


「駄目です。紬、次行くぞ」


 お、おう、陛下への挨拶、これで強制終了させるつもりだな……



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