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2番目の番とどうぞお幸せに〜聖女は竜人に溺愛される〜  作者: 雨香
婚姻編

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64/92

ジャンル


「お嬢ちゃん、あんたも罪な女だねぇ。大物兄ちゃんと王子坊やじゃジャンルが違いすぎるだろうに……」


「ジャンル…………」


 三人がけの花柄ソファーの端と端に座ったリヒト様とユリウス様。

二人ともお互いの方を全く見ない。


 リヒト様はどかっと足を開いて座っていてめちゃくちゃ機嫌が悪そう。


 ユリウス様は足を組んで優雅に紅茶を飲んでる。


 アイラさんのお店の二階で、なんだかよく分からない四人で地獄のお茶会に参加させられている。


 きっかけは昨日から私がアイラさんのお店に来ている事をユリウス様が知り、仲を取り持ってほしいとアイラさんに懇願した事にある。


 ルース君に止められていたユリウス様を、王子様顔に弱いアイラさんがお店に入れてしまい、別れるにしてもちゃんとふっておやりと私と対面させた。


 報告がいったのか、めちゃくちゃ怒ったリヒト様がすぐに押しかけて来て地獄のステージの出来上がりだ。


「お嬢ちゃんの母親として言わせてもらう。この場で礼は無しだ。今だけは言いたい事をお言い。お嬢ちゃんもはっきり自分の気持ちを言う練習と思いなさいな」


「えぇ……」

もう何度もユリウス様にはちゃんとお断りの言葉を言っているはず。これ以上どうしろって言うのか。


「お嬢ちゃん、狼獣人っていうのはね、獣人一執着が強い。それはもうコテンパンにふってやらなきゃ諦められないんだよ」


「振られる前提で話しをしないで頂きたい」

ユリウス様が紅茶を飲みながら眉を顰めて抗議する。


「俺の女に手ぇ出すんじゃねーよ。ぶっ殺すぞ駄犬が」


 リヒト様いつもより口悪い。完全な不良竜。


「執着って……でも、もうお断りしたし……」


「お嬢ちゃん、王子坊やから見たらね、坊やへの意趣返しと大物兄ちゃんの圧力であんたがこの国に留まっている様に見えてるんだよ」


「!?何で!?」


「自分のやっちまった事は反省してるけどね、大物兄ちゃんだって同じじゃないかと感じてる。プラス、自分の方がいい男だと思ってる……とまぁそんなとこかね」


「えぇ、まあ……」 


「あ゛ぁ?ふざけんなよ犬が」


「何でこんなに突き抜けてジャンルの違う男たちを選んだのかねぇ神々は……」


 アイラさんは腕を組んで一人がけの花柄ソファーに座り、二人をじっと見てる。

私だけオロオロと立っていて落ち着かない。

座るとこないし、あの二人の間なんか地獄だ。


「あんたら二人ともよくお聞き。私の娘は人間だ。番の匂いなんて感じちゃいない。あんた達二人の重たい思いは置いといて、私の娘の気持ちをハッキリさせればいい」


 いったいなぜこんな事になっているのか。


 ユリウス様の飄々(ひょうひょう)とした態度と、リヒト様の不機嫌オーラが怖すぎる。


「お嬢ちゃん、ズバリあんたの男のタイプはどんななんだい」


「タイプ………………?」


「好きなタイプだよ。どんな人が好みなんだい」


 アイラさんまで意味わからんぐらい圧が強い。もうなんかどうとでもなれという気持ちになってきた。


「……………………誠実な人」


「ぶふぉっっ!!!」 あ、リヒト様紅茶吹いた。


「ん゛んっっ!!」 おぅ……ユリウス様も吹きそうなのこらえたな。


「……………………二人とも脛に傷持つ者同士かい……はぁ、じゃあお嬢ちゃん、あんたが嫌いなタイプはどんなだい」


 私は何を答えさせられているのか。

早くここから出てクロム君を抱きしめたい。


「………………浮気する人」


ガシャンッッ! ——ユリウス様がティーカップをおとした。


バリンッッ!! ——リヒト様はティーカップ壊した。


「……………………あんた達、実は二人とも似た者同士なんじゃないのかい…………?」    


「「……………………」」


 おおぅ、二人共黙ったな。


「お嬢ちゃん、他には無いのかい、好きな男のタイプは。この際だから全部吐いちまいな!」


 えぇ……取り調べ!?

リヒト様を見るとピクピク青筋がたっていてめっちゃ怖い。完全に魔王。


 はぁ、しょうがないなぁ。

一度しか言わないぞ!!!


「…………私の好きなタイプは!!!


私のお料理を美味しく食べてくれて!

約束をちゃんと覚えていてくれて!

テトに私を乗せてくれて!

軍服と着物が似合って!

実は子どもに優しくて!

私を片手で抱き上げてくれて!

守るって言ってくれて!

いっつも偉そうな七股男です!!!!!」


「!?!?!?~~~~~~!!!」

私の勢いとセリフにリヒト様は目を白黒させてる。


「だそうだよ?王子坊や。あんたもそろそろ執着はおやめ。わかっただろ、私の娘はそこの狭量な男が《《ちゃんと》》好きなのさ」


「……………………はぁ、よく分かった。もうここで終わりにする。私の負けだよ。つむぎ、私の番に少しでもなってくれた事、感謝する」


 ユリウス様はそう言って部屋を出て行った。

アイラさんも気を利かせたのかお店が心配だと言って階下に降りていき、残されたのは私とリヒト様だけ。


「リヒトさま?」


「う…………あ……」

あ、これ聞いてないやつだ。


「ユリウス様、今日も王子様みたいだったね」


「何だと!?こっちは本物の王子だぞ!!俺の方がいいだろ!!」 あ、帰ってきた。


「まだ、怒ってる?」


「——っ!違う!!嫉妬で狂った姿を、見られたくなくて……」


「迎えに来てくれてありがとう」


「お、おぅ……」


「リヒト様、離れに帰りたい。クロム君とご飯食べよ?」


「さ……先に母屋は……」


「…………………………好きなタイプにエロ竜は入ってない」


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