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2番目の番とどうぞお幸せに〜聖女は竜人に溺愛される〜  作者: 雨香
婚姻編

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新店舗


 アイラさんの小物屋さんはエルダゾルクの中心街にあって、お隣がドレスショップと素敵なカフェという好立地な場所だった。


 石畳の街並みに似合う絵本から飛び出た様な可愛らしい二階建ての店舗で、上がアーチ型の緑の扉の横に大きなショーウィンドウがあり中にはもう化粧品やら小物やらが可愛らしく飾られていた。


「二階が婆さんの家になってる」


「すっごい可愛い!!!」


「はぁ、そうか?母上の持ってた物件をそのままやっただけだ。母上と婆さんの趣味が同じなんだよ」


 そういえば馬車の趣味も似ていたもんね。


 既にお客さんも入っていて大盛況のようだ。


「あんた達、入って行かないのかい?娘が帰って来たんだ、茶ぐらい出すよ」


 アイラさんがドアから顔を出して言う。


「おや、嬢ちゃん。いい侍女がついてるみたいだね。ちゃんと妃殿下らしく見えるじゃないか。私に似て可愛いんだから、いつも女を磨くんだよ!」


「ふふふ、はい。あれ?店員さんがいる!」


「ここは元いた田舎街とはちがうからねぇ、客が多くて嬉しい悲鳴を上げっぱなしで私のお肌が心配だからね、雇ったんだよ。クレア、おいで」


 クレアと呼ばれたふわふわした栗色の髪をした可愛らしい女の子が店の奥からこちらに来て挨拶をしてくれた。


「くくく、クレア・ラクロアと、ももももうし、ます、王弟妃殿下にお会いでき、き、恐悦至極に……」


「ふふ、まだ婚約者ですし、つむぎと呼んでください」


 めっっちゃ緊張されてるな。リヒト様はこの空間が嫌なのか、ユアンさんとどこかに行ったから緊張する事ないのに。


「あんたら同い年じゃないかい?二人とも二十歳だろ。クレア、私の娘のつむぎだ。仲良くしてあげておくれな。つむぎ、クレアは男爵家の娘だよ、貴族のことも少しは分かる」


 アイラさんは出会った時から徹底して私を娘扱いしてくれる。リヒト様の婚約者じゃない、ただの何も持たない女の子だったあの時から。

それがとてもくすぐったくて、時々泣きそうになる。


「なななな仲良くなんて、お、恐れ多い!男爵家なんて庶民とおなじなんですよぉお!!」


「同い年なの!?お友達になってくれる?私、この世界で女の子のお友達、いなくって」


「えええええ!いいのおおおお!!??」


「うん。なってくれたら、嬉しい」


「はぁぁぁ可愛いぃぃぃ!!!」


「クレアちゃんの方が可愛いよ?私も髪ふわふわにしたい」


「天パ褒められたぁああ!明日死ぬかなあああ!」


 リヒト様が迎えにくるまでクレアちゃんと二階の居間でお話しして(お部屋はすっごい花柄メルヘンだった)、今度は私の離れで会う約束をして帰った。


 まさかこの世界で同い年のお友達ができるとは思わずにいたので、すごく嬉しい。


「はっ!クレアちゃんが何の獣人なのか聞くの忘れた!リスっぽかったし、リス獣人かな!?」


 私は人間なのでみんなみたいに匂いで何の種族か分かるわけじゃないから不便だ。アイラさんみたいに、ワニの目と緑の鱗が所々見えるとかなら分かりやすいのに。


「竜人だよ。ユアンが良さそうなのを人選して引き合わせたんだ」


「お友達になったの!今度離れでお茶するの!」


「そうか」

テトの上で報告すると、目だけ細めて笑って頭のてっぺんにキスを贈られる。


「最初はすごく緊張されちゃったんだけどね、最後の方は普通に喋ってくれた!」


「良かったな」


 上を向くと今度は唇にキスが降ってくる。

夕方のオレンジが、リヒト様の瞳の金色と溶け合って蜂蜜みたいな色になる。


 沿道の人々が皆手を振ってくる。リヒト様人気はすごい。


「リヒト様のお父様とお母様はどんな人だったの?」


 お母様が可愛い物好きという事しか知らない。


「父上は兄上そっくりでヘタレだった。母上は軍の総帥も兼任されてる様な方で、すげぇ強かったな。趣味はあんなだけど」


「あはは、リヒト様はお母様似なの?」


「母上も黒竜だったからな」


「そういえば王宮でも街でも黒髪の人は見かけないね」


私とリヒト様ぐらい?茶色系の髪の人が一番多い。


「黒と金は王家の色だからな。金に色を付ける事は簡単だけど、黒はなかなか竜人の毛に定着しないからいないんだよ」


「ふぅん、私とリヒト様に子供ができたら、黒?」


「だろうな。何なら今から試すか」


「エロ竜なのが遺伝したらどうしよう」


 リヒト様は大笑いして、また頭のてっぺんにキスを落とした。  


「そうそう子供なんてできねぇよ」


「そんな事いってたね、そんなに?」


「俺だって父上と母上が三百歳の時の子だ」


「!!竜人って長生き!!!」


「三百から五百ってとこだ。俺の番だから、お前も竜人と同じ寿命になってるぞ。そういうのも含めて神の祝福なんだよ」


「えええ!?!?ってゆーか三百歳で子供なんて出来るの!?!?」


「竜人は神に一番神格の近い生き物だからな。三百歳ぐらいまでは二十代のまま老化がない」


 異世界なんでもありだな。


「でも陛下は三十代にみえたよ!?」


「あ~~、兄上は実はすっげえ童顔なんだよ。それ隠すために無精髭そんねぇの。モテたいらしい」


 陛下らしい。いつか童顔を拝んでみたい。


「竜人は寿命は長いけど子は生まれにくい。数百年の生涯をかけて一人産まれればいい方だな。二人産めば国から表彰される」


 いつの間にか王宮の門についていて、リヒト様は出迎えたリツさんにテトを託して私を抱き上げ母屋へ入って行った。   



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