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2番目の番とどうぞお幸せに〜聖女は竜人に溺愛される〜  作者: 雨香
番編

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35/87


「よぉ、起きたか?」


「りひ、と、様……?ここは……?」


 いつもの離れじゃない、和風モダンだけど広々したリゾート風な部屋。

天蓋から更紗の布が沢山かかった大きなベットに寝かされている。

 

 大きく開いた折れ戸から夕方の庭が見えて、人気のない庭からそよそよと優しい風が時折届く。

 

「俺と紬の部屋だよ」


 上半身を起こすと、後ろから支える様にして抱き込んでくれた。


「体は何ともないか?首、痛かったな」


「体……?なんとも、ないよ?」


「自分まで治しちまったからな、紬は」


 ぶわっと記憶がはっきりとしてきて、さっきの事を思い出す。


「あ、あれ?私、あの後、どうし……」


「紬はあの後気を失って四半日寝てた。んで、俺は寝顔をずっと見てた」


「ええ……?」


「寝顔まで天女だな、お前は」


「えぇえ……」


 ここ最近そんなに長い間一緒にいた事はない。いつも一時間ぐらいで帰って行ったのに。


「行かなくて、いいの……?」


「どこに?」


「えと、いつもすぐ帰るから……」


 後ろから抱き込む腕に力が入る。


「お前が治してくれたから、もう紬とずっと一緒にいられるよ」


 良かった、ちゃんと治ってた。


「エルダゾルクに入った瞬間、紬が俺の番だって分かった」


「うん」


「俺の獣性が強すぎるせいで、お前のことを見境なく襲うところだったんだ」


「獣性……?」

 

「獣の(さが)だな、俺は特に強い。お前の匂いに我を忘れて獣化して、何が何でもお前を手に入れて身体をつなげようとしたんだ。人間が相手じゃ、死んでしまう」


「死ぬって……」


「あの女を見ただろ。あの女は紬の髪と血を使って、紬の匂いを擬態してたんだよ」


 髪?だからレイス様は入念に私の髪を梳かしていたの?血も、血液検査のためにと取った記憶がある。


「レイス様の怪我は、大丈夫なの?」


「あの女の心配かよ……獣人は丈夫だからあのくらいじゃ死なない。今は捉えて牢に繋いでる。うちの国で裁くと死罪になるな。王族を害そうとした罪は重い」


「死罪!?」 


「俺は別にあの女がどうなろうといいけど、お前は嫌だろ。祖国は、平和な国なんだろ?」


「あ、うん……」

 死刑はあったけど、黙っておこう。


「お前の恩赦により国外追放という事にする。狼の野郎を国に返すいい理由になる。あいつ、エルダゾルクに住みたいなんてぬかしやがって」


「えぇ……何のために……」


「お前を口説くためだろ、やっぱあいつ殺すか」


 ユリウス様はレイス様と幸せになって欲しいと思う。もう間違えないで、彼女だけを想ってあげて欲しい。


「……リヒト様は、病気じゃなかったって事だよね?」


「………………」


「リヒト、さま?」


「番の名前呼び、やべぇ……」


「………………………………お兄さん」


「待て!!聞いてる!ちゃんと聞いてるぞ!あーと、何だ、病気な!?」


「…………………………」


「お前を好きすぎる病気だっつったのは、嘘じゃなかったろ?状態異常として、丸ごとお前が治しちまったけど」


「嘘じゃないけど、本当の事でもない。お兄さんはいつもそう」


「………………スイマセンデシタ……名前……」


 名前で呼ぶ事がそんなに大事かな。お兄さんって言いやすくていいのに。


「なまえ…………」


「ふふふ、リヒトさま、私これからどうなるの?」


「ぐっ、やっぱ、いいな……っとあー、紬は今から俺と番う」


「今から……?」


「優しくするから、大丈夫だよ」


「え、何で……?まだ付き合ったばっかりだよ?」


「…………紬はどこまでも人間だな」


 クイっとあごを上げられて、上から覆いかぶさるみたいにキスされる。


「ぷはっ!な、何!?」


「はぁ~~~~~~俺の番可愛い。久しぶりのキスやべぇ」


「何なの……」


「優しく責めてやろうな」


「えぇ……何でそんなに慣れてるの?」


「………………………………お前もう黙れ」


「ええ……?んむっ!?」


 とろけるみたいなキスが降ってきて、体がどんどん熱くなる。 

優しく髪をすかれてるだけなのに、全身撫でられてるみたいにビリビリして落ち着かない。


「好きだよ。紬が番で、俺は嬉しい」


「私も、リヒト様が好き……」


「あ゛~これはヤベェな……俺の理性はどこまで持つのか」


「やめる?」


「やめねぇよ!!どんだけ我慢したと思ってんだ!!飯行く?みたいなノリで言うなよ!!!」


「ええ……何なの……」


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