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2番目の番とどうぞお幸せに〜聖女は竜人に溺愛される〜  作者: 雨香
番編

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25/89

血液


「筋肉の弛緩と緊張を交互に行ってゆっくり全身に行き渡る様にして下さい。殿下ならば点滴にする程の量ではありません」


 金髪の女医が、紬の血液の入った注射を用意しながら言う。

 血の気配だけでかなりまずい。注射針から血液が漏れたらまずいので、ユアンとクロードを武装させて控えさせている。


「わかった。くれぐれも血が漏れない様にしろ。何が起こるかわからん」


「畏まりました」


 紬の血を取り込み、番が手に入ったと自分の体に誤認させる。モヤモヤとしていた思考がクリアになっていく感覚がある。


「いかがですか、殿下」

 ユアンがこちらを伺う様に聞いてくる。


「ああ、効き目はあるな。飢餓感が少し薄れたか……だが、まだ紬に会えるほどではないな」


「何回か続けてみましょう。お嬢様も協力的でございます故」

 女医が血液の匂いが漏れない様に針にテープを施しながら言う。


「紬の健康に支障がないよう配慮しろ。もう下がれ」


「御意に」


「——っは~~~~」

 女医が下がった扉が閉まるのをみてため息を付く。


「紬のおかげだな。だいぶ楽になった」


 暴力的な飢餓感。番への執着心。紬は気がついていないが、離れに隔離しているのもそのせいだ。

 誰にも見せたくない。俺だけの番。


「リヒト、今回の摂取量はつむぎちゃんがラディアンで採血した量だぞ。狼も同じ量摂取されたとしても、辻褄が合わなくないか?いくらお前の方が格上でも、効き目に差がありすぎる」


 クロードが困惑した表情で言う。


「ああ、第二の番とかいう女狐が何か細工したんだろうな。摂取させたのはただの血液じゃなさそうだ」


「もう一度クロムを行かせますか?」


「いや、データとして残してあればとっくにクロムが持ってきてる。どうせこっちに来るんだ待ってりゃいい。十中八九、女狐も連れてくるはずだ」


 二人が意外そうな顔をする。


「俺ならばそうする。カードは多い方がいい」


「そこまで外道になれますか?」


「何だ!?どういう意味だ!?」


 ユアンが眉を顰め、クロードは訳がわからず焦っている。


「とっくに相手が俺だという事は分かっているはずだ。バラす為に、わざとお前らに武装させて行軍して帰ってきたんだからな」


「それが何だってんだ!?」


「同じ匂いの女狐を献上するから紬を返せと言うつもりか。それとも女狐を使ってハニートラップを仕掛けるかのどっちかだろ」


 まだ俺の番だと言うことまでは分かっていないだろうが、獣人が相手を選ぶ基準に匂いは欠かせない。


「これだからモテる男は腹が立つな!!!普通思いつかねぇよそんな事!大事にしろよ女の子!」


 それには返事をせずに、ユアンに指示を出す。


「ユアン、紬の契約書を用意しておけ。エルダゾルク神と契約させる。俺が説明するから、それまでは血液の摂取が最優先だ」




◇◆◇





 昨日私の血液を使った薬?が初めてお兄さんの病気に効いたので、数日後にまた採血させて下さいと言うルルリエさんを説得して今日も採血してもらった。


 ちゃんと食べて、私は血を作らなきゃ!

お兄さんにもちゃんと食べてもらうんだ!年齢より小さな体のクロム君にも!!


 今日は大麦でドリアを作った。(ルルリエさんからお兄さんは食欲は以前と同じくあると聞いた)ミートソースたっぷりで、おっきなハンバーグが乗ったやつ!


 昼前にまたクロム君が大量の食材を持って来た。

今日はお魚が入っていたので、フライとフリッターも追加で作った。マヨと、なんちゃってピクルスと卵でタルタルソースのディップとトマトソースのディップのやつ。


「お米があればなぁ~大麦だと、食べた気しないんだよねぇ」


「こめ、ある。牛と豚、食べるやつ」


「えぇ!?あるの!?手に入る!?」


「牛と、豚、たべるやつ……」


「えと、見てみたいな~、だめ?」


「美味しくない。けど、こんど、持ってくる」


「わぁ!ありがとう!!」


「ん、これ、主?」


 小さなおててでつる籠を指差して、クロム君が聞く。


「そう。お願いね?熱いのが入ってるから気をつけて!この、陶器の蓋付きの容器が一番熱いからね?また帰ってくる頃に、クロム君の分が出来上がってる様にオーブンに入れておくからね!」


 ぐるるるるる~とクロムくんのお腹がなってよだれがでているので、慌ててハンバーグの残りで作ったミートボールもどきを口に放り込み、ハンカチで三角エプロンをしてあげた。


 わぁ~すんごく美味しそうにたべるなぁ~!無表情だけど分かるぞ私には!両手をほっぺたに付けて食べてるもの。かーわーいーいー!


「昨日のクッキーとケーキも入ってるの。もしお兄さんが甘いの苦手なら、貰っておいで?」


「ん、クキとケキ、貰う」


 私が可愛さに悶絶しているうちに、シュバっとクロム君はどこかに消えてった。


「うん!クキとケキ、絶やさないようにしよう!!」


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