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2番目の番とどうぞお幸せに〜聖女は竜人に溺愛される〜  作者: 雨香
番編

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23/87

バーガー


 

 テトが毎日一緒にいてくれて、私はどんどん元気になった。

お兄さんは相変わらず会ってはくれない。


 けれども心遣いだけは感じてる。料理が趣味だと教えた事はなかったのに、離れのお部屋にキッチンが新設されて、広い新しいキッチンに冷蔵庫まで付けられた。


「お嬢、これ、主から」


 灰色の髪をした小さな小さな男の子が、大きな木箱を四つ重ねて肩にのせて急に現れたので驚愕する。


「ひぇ!!おも、重いよね!?だだ、大丈夫?僕!!」


「ん、重くない。どこ置く?」


 信じられない量の荷物を肩に担いで飄々としていて、竜人って子供も力持ちなんだなと思う。心臓に悪い。


「お嬢様、殿下の部下のクロムですわ。四歳ですが、やり手ですわよ」


「よよよ四歳!?偉いねぇ!」


 灰色のフワフワの癖っ毛で、長い前髪が目にかかっている。前髪から覗く目はクリクリで、人間の四歳よりずっと小さく、女の子みたいに可愛い。無表情で美少年な顔とは裏腹に、信じられない力持ちだ。


「じゃ、じゃあパントリーの前に置いてくれる?まだ何にもはいってないあの空っぽの棚のところだよ!」


「ん。」


抑揚のない物言いが可愛くてキュンキュンする。


「わぁ~すごい量の食材だねぇ!嬉しいな!」


「僕、入れる」


「ふふ、お手伝いしてくれるの?ありがとう」


 クロム君がヒョイヒョイ重い物を入れてくれたので、私は冷蔵庫もどきに食材を入れていく。なんだかツルッとした石でできた箱で、中に冷気を出す石が入っている。


「ずっと麦のお粥ばっかりだったし、ガッツリしたの作ろっかな~、クロム君も食べていく?お母さんがつくってるかな?」


「親、いない」


「……じゃあ食べていって?」


「ん。もらう」


 可愛いぃぃぃ!孤児なのかな?この世界はまだ沢山戦争があるみたいだし、つらいなぁ。


 クロム君の頭を撫でてから取り掛かる。

 

 毎日私にミリーナさんが着せてくれる服は、天女の様な裾の長い合わせの着物で、帯で留めて着る。

たっぷり取った生地が邪魔で、襷掛けをしてなんとか作業できるようにした。


 まだお昼までには時間があるから、バンズから焼いてハンバーガーにしよう!たまに食べたくなるのにこちらではたべられないから。


 バターをたっぷり目に入れたパンだねをこねる。オーブンに発酵機能なんてないから、植物用の温室があるときいたのでミリーナさんにお願いして置いてもらった。


 その間に牛肉をミンチにしようと頑張っていたらクロム君が代わってくれて、秒で出来た。包丁ニつ使ってた。普段から二刀流だから得意と意味のわからないことを言っていた。


 バンズを成形して、卵液を塗ったらオーブンに入れて焼く。


 チキンの方は照り焼きにやいて、トマトや玉ねぎ、レタスもたっぷり用意する。


 どんどんパンの焼けるいい匂いが漂ってきて、食欲が出てきて嬉しい。


「ミリーナさん、辛い香辛料とか調味料ってこの中にあるかな?」


「私はあまり料理に詳しくないのですが……というか獣人はあまり凝った物を作る習慣が無く……」


 うんうんそうじゃないかなって思っていたよ?切って焼いてドーンが多いもんね。パンぐらいじゃないかな。工程が多い料理。それも種類はあんまりない。


「これとこれ、辛い、まずいやつ」


 クロム君が指差した物をなめてみると、唐辛子と日本のカラシのような味がした。緑と青だけど。


「ありがとう。これもね、お料理に使えば美味しいよ?」


「ん、たべる」


 いちいち返答が可愛い。無表情だけど、ちゃんと返答はしてくれる。のべつしまなく可愛い。


 マヨネーズを普通のとピリ辛のとで用意して、焼けたバンズにたっぷり塗ってはさんでいく。


 牛肉のパテのバーガーと照り焼きチキンのバーガーの二種類を、辛子マヨネーズと普通の味で両方作った。四種類あれば楽しめそう。コーラが欲しいところだけれど。


 人間より嗅覚が鋭いからか、クロムくんの大きな目が前髪の隙間からキラキラ光ってるのが分かる。ってゆーか、よだれ出てるぞ!


 ミリーナさんはこねくり回した(?)料理に抵抗があるそうで辞退されたので、縁側に二人で座る。

 

 クロム君に辛くない方のパテバーガーを紙に挟んで渡す。

食べる前にナプキンで口を拭いてあげたのに、もう出てるのがおかしい。


 一口食べて目がキラキラ光って、その後は夢中で食べてた。お兄さんの反応と似ていて楽しい。


 付け合わせに作ったフライドポテトを口に入れてやると、これも夢中になって食べていた。


 かなり大きめのバーガーにしたのに三つも食べて、まだものたりなさそうに見えたので私が食べきれなかった半分も口に入れてあげたら無表情ながらも嬉しそうに食べてくれたので満足だ。


「クロムくん、これ、お兄さんに持っていける?すぐ詰めるから」


「ん。あしたも、きていい?」


「ふふ、まってるね」


 つる籠に紙に包んだバーガーを四種類詰めて、ポテトは陶器の蓋付きの入れ物に入れた。

全部全部お兄さんの好きな味な事を知ってる。ピリ辛なのは初めてだけど、絶対大丈夫だと思う。


 マヨネーズは正義だ。


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