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2番目の番とどうぞお幸せに〜聖女は竜人に溺愛される〜  作者: 雨香
家族編

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トーナメント試合3


 天馬や馬と出場したい場合は登録しておいて、当たった相手も同種に騎乗する場合にのみ使用が許される。


 クロム君はケイとエレノアの二頭で登録したため、前代未聞として話題になっていた。記者っぽい人に取り囲まれていたけれど、本人はキョトンとしていた。


 クロム君とレスターは違うブロックでの出場で、二人ともどんどん相手を倒して行く。

子供で天馬を持っている子が他にいないので二人の天馬はずっと競技場の外でのんびりしてるのが見える。


 黒豹の少年の懐にクロム君が見えない速さで入り込み、木刀を喉に突き付けて「参りました」と言わせている。


 あっという間。相手もクロム君も怪我をする間もなく終わる感じ。


 一方レスターの戦い方は容赦ない。バコバコ木刀で殴りつけ、風魔法を乗せて切り付け、相手が泣くまでやるので私が途中からストップをかけたり叱ったりしなきゃならない。審判と私の阿吽の呼吸が出来上がるぐらいひどい。


 やっぱりというか、案の定というか、決勝戦はうちの子二人の戦いになって、天馬三匹が揃う戦いにいつもの何倍もの観客が押し寄せてしまい、会場が恐ろしいほどの熱気に包まれている。


「もう両方うちの子なんだし、うちに金と銀の花輪渡してくれれば良くない?」


「もともこもねぇな。あいつら泣くぞ、天馬使って戦いたくてしょうがねぇんだから」


「そんなに天馬に乗るのって強くなるの?」


「なるな。街一つ潰すのなんて簡単になるぐらいには。テルガードなら国一つすぐ潰しそうだ」


 えぇ、、、何それこわい。


「レスターにやたら面会要求が来るのは何なの?私に直接言おうと突撃しようとする王族もいたよ?」


 私のセリフにリヒト様はだるそうに答える。


「娘の婚約者にしたいんだろ。レスターの子はリアの名を継ぐ。竜国王族と外戚になるチャンスなんだよ。俺が許すわけねぇのに」


 王家の血を継ぐ子が産まれたことで、竜国の将来は安泰だと言われている。

陛下はわりと女性の好みが厳しくて、なかなか妃を取ろうとなさらないのを陛下の侍従がしょっちゅう愚痴っているけれど、レスターのおかげで無理やりお嫁さんをあてがわれるような事はないみたい。


「そうなの?いい子がいればいいんじゃない?」


「外国の王族なんて面倒なだけだ」


「誰かさんは外国の姫とも沢山遊んだくせに」


「んなわけねぇだろ」


 とぼけたリヒト様は私を抱き込んでキスをくれる。


 呆れてため息をつくとちょうど銅鑼(ドラ)の音が鳴り響き、会場に割れんばかりの声援が響いた。


 ツキに乗ったレスターと、ケイにのったクロム君が既に空中でいつものチャンバラごっこを始めている。見慣れた光景にちょっとだけ安心してしまう。


「エレノアもいるけど、どうせ体は一つなのに二匹もいらなくない?」


「見てれば分かるよ」


 ?そうなの?エレノアはポツンと下にいるだけのように見える。


 ガキンガキンと木刀で撃ち合う音がする。


 下にいたエレノアが前足を高く上げてからダンッと床に脚をついたと思ったらその瞬間にクロム君の周りに氷の剣が何本もぐるっと囲うように現れた。そこにケイが何か魔法を瞬時に放ち、氷の剣に雷を(まと)わせる。


 焦ったレスターがツキをがむしゃらに動かして逃げようとするけれど、エレノアが下から螺旋状(らせんじょう)に舞い上がり回り込んで取り囲む形になった。


 クロム君が木刀を振ると全ての氷の剣がレスターとツキに向かってすごい速さで飛んでいく。


 思わずギュッと目を閉じると、リヒトさまが私をまたギュッと抱きしめてくれた。


「大丈夫だよ。クロムがおまえを泣かせるような事するわけないだろ。見てみろ」


 そおっと目を開けると、雷の乗った氷の剣は全てレスターとツキに刺さる寸前で止まっている。


「あにうぇ~~~つよい~~~~~~」

半泣きのレスターの声。


 ドワっっと地響きみたいな歓声があがり審判が決着を付けた様だった。


「えっぐ~~~~~~!!あいつまた強くなってない!?これ、二匹使われたら俺らとやっても勝っちゃうんじゃない!?ヤバすぎ!!」ルース君が叫んでる。


「これは……我らも鍛錬しませんと……」


「クロム坊に追い抜かれるなぁ。エレノアが氷を操る希少種なのもすげえし……」


 ユアンさんとクロードさんもびっくり顔。


 黒豹の王様から金と銀の花輪をそれぞれ渡された息子達は天馬に乗ったまま二階席の私の元へやってくる。

クロム君も半泣きのレスターも、まっすぐ私の元に。


「「 ははうえ!! 」」


「ふふ、二人ともお疲れ様。おやつにしようね」


 天馬から降りたクロム君が、私の頭に小さな金の花輪をのせてくれた。


「可愛い、髪留めに加工してもらおう~~~クロム君、ありがとう」


「母上~~~負けたぁ~~~」

グリグリと額を私に押し付けて泣いているレスターは、それでも私に銀の花輪を渡して来た。


「レスター、銀色すごく綺麗、ありがとう。大切にするね?」


「母上~~~~~~」

びしょびしょの顔で泣き笑いをし、また額をグリグリと押し付けてきて可愛い。


 クロム君の魔力量も凄いらしいけれど、レスターの魔力量はそれを上回ると聞いた事がある。

みんなレスターがこれから強くなって行く事は分かってるので何も言わない。


「二人とも陛下から刀を(たまわ)るぞ。楽しみにしとけ」


 二人の顔がパァッと明るくなる。そんなに欲しいかな、刀。


 普段は木刀しか許さないぞ!!


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