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ナイルを彷徨う

 オシリスの夢をみてから、アルウは学校に興味をもたなくなった。

「ナイルに黄金のオシリスをさがしに行かなくちゃいけないよ」

 息子が同じ話を繰り返すので、両親は途方にくれた。

 ある日、ハレムイアは部屋で寝転がっているアルウに声をかけた。

「アルウ、ナイルに黄金のオシリス像をさがしに行こう!」

「うん、いいよ!」

 アルウが目を輝かせる。

「かあさん、アルウと出かけてくるよ」

「夕ご飯に間に合うように帰るのよ」

 ヘヌトミラが微笑んだ。

「はーい」

 アルウは元気よく返事をすると、父親と一緒に外に出た。

 太陽が眩しく輝いていた。

 空は雲一つない良い天気だ。

 アルウの目が輝く。

 まるで別人のように生き生きとしている。

 親子は家から近い大通りに出た。

 通りはいつもラクダやロバや牛に荷物を引かせた荷車が、ひっきりなしに行き来している。

 親子はその通りを用心深く横切り大きな市場に入った。

 市場は多くの人で賑わっている。

 茶の瞳、黒い瞳、青い瞳、様々な人種が行き交う。

 市場の屋台には世界中の珍しい食べ物や飲み物、動物、植物、目も眩む宝石、貴金属、美しいカップや壺、家具や飾り物が山のように売られている。

 親子ははぐれないように手をつなぎ人混みの中を通り抜けた。

 市場から出てしばらく歩くとナイルが見えてきた。



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