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魔女が住まう街にて

魔女達のクリスマス

作者: nashlica

登場人物紹介


キサラギ・アルトナ

魔女と呼ばれた魔術師。かなりの酒豪。


キサラギ・ラスティア

アルトナの妹。料理が得意。


七森明日香

居候。自他共に認める大飯食らい。

12月24日 PM 8:00 探偵事務所 如月


 今宵はクリスマスイブ。いつもよりも早く仕事を終わらせ、邸の中で食事を始める。クリスマスの時期は、いつもラスティアが丹精込めてクリスマス料理を私達に振る舞う。何より、私としてはこの時期はあるものが楽しみなのだ。

 それはシャンパン。普段はあまりワインとかの酒は好んで飲み事はないが、この時期だけは特に、シャンパンが美味しく感じる。これも、今年頑張ったもの達に送る私からのささやかなものだ。私は、地下室のワインセラーを開き、シャンパンを選ぶ。


「どれも悩ましいな。去年はこの銘柄だったから、今年はどうしようか」


 ワインセラーを眺めながら、シャンパンを選ぶ。今回はシンプルにこのシャンパンにしようっと、ボトルを選ぶ。地下室から上がると、ラスティアと明日香が待ち遠しかったようで、食卓で待っていた。


「遅いよ! 早く食べたくて我慢していたんだけど?」

「すまない。銘柄を選んでいたら、時間かかってしまった」

「姉さんらしいけど、時間かかると冷めちゃうよ?」


 二人は待ちきれなかったようだ。二人をただ待たせてしまっては、せっかくのクリスマス料理も台無しになる。

 二人に詫びながら、私はシャンパンの封を開ける。


「では、聖なる夜に」っと言いながら、コルクを開ける。ポンッとシャンパンが開く音を出しながら、私はシャンパングラスにシャンパンを注ぐ。


「いいシャンパンだね。今年は何にしたの?」

「ドンペリかな? ちょうどもらっていたのを思い出して。今日みたいな日にはいいだろう」

「そうだね。匂いは上品だけど、意外と辛いね」

「これでも、度数はそれなりにあるからね。値段も結構するから、一人で飲みにはもったいないよ」

「その割には、ウィスキーは一人で一本開けるのにね」

「ワインはあんまり好きじゃないんだ。まぁ、こういう日くらいはいいだろう」


 食事を堪能しながら、シャンパンを嗜む。ふと窓を見てみると、雪が降っていた。


「久しぶりの雪だね。しばらくは十二月なのに雪なんて降らなかったのに」

「そうだね。いいクリスマスになりそうだ」

「何二人で黄昏てるの? 私も入れてよ」

「君はただ食べているだけだろう?」


 明日香が豪勢に食べるのを見ながら、邸の窓から降り注ぐ雪を眺める。巷はクリスマスというだけあり、恋人達が互いの愛を確かめ合いながらデートをする。私とは縁のないことではあるが、他人の愛を眺めることは苦ではない。私には支えるべき仲間がいる。ただそれだけでいいのだ。


「どうかしたの?」

「いや、なんでもないよ」


 そう言いながら、ラスティアが作ったローストビーフを食べる。相変わらず味は感じないが、ラスティアが作ったと思うと美味しさを感じる。

 それを食べた後に飲むシャンパンは、不思議と美味しかった。


「どう?」

「美味しい。味は感じないが、美味しいよ」

「よかった。姉さんは味を感じられないから、食べないかと思ったよ」

「丹精込めて作ってくれたのに、それは失礼だからね。でも、ラスティアが私のため思って作っていると美味しいよ」


 私がラスティアの料理を褒めると、彼女は喜んだようだ。明日香は、ターキーを食べながら、私たちのことを見ていた。


「まぁ、ラスティアの料理はどれも美味しいからね」

「明日香さんもありがとうございます。まだいっぱいあるから食べてくださいね」

「それもそうだね。お言葉に甘えて、いっぱい食べるよ」


 明日香は、遠慮なくと料理を食べる。それを見ながら私とラスティアは、グラスを合わせながら食事を進めた。


 その後、料理を食べきった私達は暖を取りながらテレビを見ていた。今日はクリスマスと言う事もあって、どれもクリスマス特番ばかりだ。

 テレビを見ていると、ふと思い出したかのように、私はプレゼントをテーブルに置く。


「姉さん、これは?」

「クリスマスだから、君へのプレゼントだよ。受け取ってほしい」


 ラスティアは、プレゼントの紙を破く。すると、それを見たラスティアは、驚いたような表情を見せた。


「これって?」

「包丁。最近、あまり斬れなくなったって言ってたからプレゼントにと思ったんだけど、どうかな?」

「ううん、ありがとう! 姉さん!!」


 ラスティアは嬉しそうにプレゼントを受け取った。すると、彼女もプレゼントを用意していたみたいだ。


「私も、姉さんにプレゼントを用意したの」

「なんだい?」


 彼女は、プレゼントを置く。私はそれの封を開けると、マフラーが入っていた。


「マフラー?」

「どうかな? 気に入ったかな?」


 彼女が心配してるように見ると、私はそれを首に巻いた。


「うん、いい感じ。それに、暖かいよ」

「ほんと!? 嬉しい!!」

「ねぇ? 私にはないの?」


 明日香が私にプレゼントを要求する。もちろん、彼女にはないわけではないのでプレゼントを渡す。それを受け取った明日香は、プレゼントを開けた。


「チョーカー?」

「あぁ、君に合うように、猫のエンブレムのついたやつを選んだけど、どうかな?」


 明日香は、チョーカーを首につける。


「うん、悪くないよ。デザインも私好みだしね」

「それなら良かった。ついでに、ウィズのも用意したから、つけてやってほしい」

「ありがとう。ラスティアもないかあるの?」

「私からはこれを。気に入るかどうか」


 ラスティアは、明日香にプレゼントを渡す。それを受け取った明日香は、中身を見て驚いた。


「これって?」

「ペンダントです。姉さんと一緒に猫のものにしましたけど、どうですか?」

「ううん、全然いいよ。ありがとう」


 明日香は、ラスティアからもらったペンダントを首にかける。


「なら、私も二人に何かあげないとね」

「ん? なんだい?」


 明日香は、亜空間からプレゼントを取り出す。すると、私とラスティアへのプレゼントを渡す。封を開けると、中身はブレスレットだった。


「中々良いブレスレットだね。しかも、私とラスティアお揃いのデザインか」

「そうみたい。明日香さんってすごいですよね」

「たまたまさ。まぁ喜んでくれて何よりだよ」


 3人で、お互いのプレゼントを見せ合う。そんなこんなで、時刻は深夜になって来ていた。ラスティアがケーキを用意し、私はシャンパンをもう一本用意する。こうして、私たちはケーキを食べながら、聖夜の夜を過ごしたのだ。


「さて、今宵はまだ長いよ」

「それって、恋人同士のセリフじゃん」

「でも、ケーキはまだありますから」

「「「メリークリスマス!!」」」

皆様はどうクリスマスをお過ごしでしょうか? わっちはクルシミマスを過ごしてますw



もしよければ、ブックマークやいいね、評価の程よろしくお願いします!

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