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2.白い木の森

実は短編を書いていたのですが、データ紛失しまして、あげることが出来ませんでした。ショック。

途中、長々と説明が続きますが、あとがきの方で簡単にまとめておいたので、めんどくさいという方は、どうぞご利用ください。


気が付いた時には、私はなぜか森の中にいた。しかも幹の色が白色という何とも奇妙な森の中にである。さらに、得体の知らない物質?のようなものも淡く発光しながらフヨフヨと漂っているではないか。

重々しく茂った木の葉の間から見える空はまだ明るい色をしていたことから、今の時刻は昼頃なのではないかと伺えたが、それ以外は何もわからない。このチョークのように白い木の名前も、触ろうとすると空中に分散するフヨフヨの名前も。


 私はいつの間にか寝てしまったのだろうか、、夢にしては、妙にはっきりくっきり見えすぎなのでは?それに、足元の草の感触もリアルだし、、、。

ありえない状況に脳がマヒしたようにうまく機能しない。


呆けたように、あたりを見回すと、


「きれい、、花、かな?」


あたたかな光を纏う、まるで某世界的有名社、初CG作の映画に出てくる魔法の花のような美しい花を見つけた。

細く、ダイアモンドのように虹色に光を反射する輪郭に、うっすらと背景を透かしている花弁と葉。花の中心からはぽたぽたと優しい光を放つ蜜のようなものがこぼれ、その蜜は地面に落ちた瞬間に小さく周囲に溶け込むようにふわっと消えていた。


秋は、まるで女子の夢を再現したような花だ。と、思っただけであったが (周囲にもよくわからないものがあふれいるため、そこまで反応をする感性は残っていない。)、幻想的で儚い雰囲気を放つその花を見たその世界の人々は驚愕し、口々にこう言うだろう。

「精霊の涙だ!!!」と。


精霊の涙とは、周囲の空気に邪気がほとんどない状態にしか咲かない花で、もちろん、様々な感情をもつ人間とは生息地帯を交らわせることはまずない。しかも、かなり邪気に敏感であるため、高潔な心を持つ人間でないと、その姿を目に収める前に近づいただけで枯れてしまうのだ。そのため、今まで精霊の涙を見たこの世界の住民は少なく、さらに、短命で感情が良くも悪くも豊かな人間となるとほんの一握りしかいない、そんな花なのである。

そして、なぜ精霊の涙という名なのかというと、その花の蜜が純粋な精霊の力が結晶化したものだからである。そのため、その蜜はこの世界では太古の昔から幻の薬の原料として書物に記されてきた。この花の蜜が一壺分あれば、一生どころか、三世代先まで楽々と生活できる富や、王をしのぐほどの権力を得ることが出来るといえばどれほど希少なものなのか想像できるだろう。

間違えても、そこら出身のなんの修行も積んでいない一般人が出会える花ではないのだ。


では、なぜお世辞にも素晴らしい性格をしているといえない秋がこの花を目に収めることが出来たのか。それは、秋が中途半端な状態であるためだ。


精霊が住む世界とこの世界はかなり近く、この花のように互いに何らかの影響を与えているのだが、実際は、一部分空間が重なってしまっているだけで、秋の世界とこの世界のように別の世界という位置づけになっている。

しかし、妖精の涙などは本来ならばあちらのものであるはずなのだが、この世界で偶然空間的条件を満たす場所のみ、どこかしら空いている精霊の世界との通路から出る魔力とともに元となるエネルギーがこちらの世界に少しずつ溜まり、ふぁっと人知れずに開花するのだ。


秋にも同じ状況が起きているといえる。この世界のものではない。しかし、偶然にも通路が開いてしまい、たまたま肉体を保つことが出来たため、この世界で「存在できている」のであって、もし、秋がこの世界の何かしらの摂理に異物と判断された場合、この世界に実体を伴って「存在する」ことはできないのである。最悪の場合、世界の狭間で死ぬこともできずに永遠と時間を過ごすことしかできない。という地獄の時間を過ごさなければならなくなるのだ。

その点、「存在」を許され、行動出来ている秋は幸福であったといえるだろう。



そんな己の幸福を一切知らずに、考えることを放棄した秋は急に思いたった。

そうだ、ラプ〇ツェルになってみようと。


なんとも突拍子もない幼稚な考えだと思うだろう。しかし、秋は疲れていたのだ。

もともと周りにはそれとなく隠していたが、そういった、いわゆるヒロインが王子様と協力して幸せになる系の映画や、それこそ幼女アニメとして有名なプ〇キュアなどが秋は大好きなのである。魔法の力を持って、かわいい姿に変身して、キュアっとパパパッと悪い奴を懲らしめるのだ。女子であれば(一部の男子も)一度は憧れたことがあるだろう。

秋は今、不思議の国のア〇スのようにへんてこな森に迷い込んで、この先の行く当てもなく、混乱を重ねた結果、考えることを少しの間放棄することにしたのだ。

だからこそ、先ほどの考えにつながる。


あちらの魔法の花には願いをかなえる力はないことは勿論秋は知っているが、ここは地球ではないのだからと、細かいことは気にせずに、「なんか凄くきれいだから、なんかしらの力持ってるでしょ。」みたいなテンションで歌ってみることにしたのだ。そう、あのプリンセスのように。


勿論、こんな状況のため「誰か、どうにかしてください」という願いを込めながら。



解説

・精霊の花:精霊の力が固まり花の形になったもの。ものすごく希少な薬の原料となる。

・世界について:秋の世界、白い木の森がある世界、妖精の世界は別物。ほかの世界とも距離の差があ るが、基本的に力を持ち近い世界であると、部分的に空間が重なることがある。秋の世界ともほんの少しだけつながっている。

 

解説をはじめに入れるか後出ししていくか悩みました。

あと、幼女アニメっていいですよね。

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