「俺たち、ドラゴンスレイヤーだってよ」「は? なに言ってんの?」」
「大ガエル討伐! おつかれさーん!」
「でかかったな。平屋の一軒家くらいあったか」
「デカイだけでニブい奴だった」
「レクト隊長が言ってた通り、明かりに突っ込んできただけなのかもね。頭悪そうだったし」
「で、聖獣の守り手として、俺ら大活躍と」
「中央派遣部隊として、いいとこ見せられたんじゃなーい?」
「俺らでスピルードル王国の株をあげとかんとな」
「レクト隊長、あんな強かったんすね」
「訓練で手合わせしたことあっただろに」
「いや、手合わせのときは、お上品な剣というか、大人しい感じ? それが魔獣にあんな気迫出すレクト隊長は初めて見たんすよ」
「ヒュプノマンティス程度じゃ、レクトは本気出さないからな」
「おい、聞いたか? 中央のヤツら、俺達がドラゴンスレイヤーだってよ」
「は? なに言ってんの?」
「何処にドラゴンがいて、いつあたいらがスレイヤーしたってのさ?」
「あの大ガエルな、中央のヤツラは地竜なんじゃないかって言ってて」
「は? なに? 地竜なめてんの?」
「あれがドラゴンのうちに入るとか、本気で言ってんの?」
「なんだかドラゴンが聞いたら機嫌悪くしそうね」
「で、俺達を地竜退治の英雄とか言い出して」
「ほんとに中央は魔獣慣れしてねーんだな」
「これも魔獣対策を盾の三国に任せてきたツケというものだろうか?」
「あのな、俺達が派遣されたのはその中央のヤツらに魔獣対策を教導するのが目的で」
「あー、先が思いやられるわねえ」
「いやアレを討伐した程度でドラゴンスレイヤー名乗ってたら、笑いもんっすよ。やめてほしいっす」
「うちでドラゴンスレイヤーは、エクアド様とカダール様でしょ」
「いや、それな。カダール様は、地竜討伐の軍に参加したぐらいでドラゴンスレイヤーはおこがましいとか言ってた」
「おかしいっすね? 自分はカダール様がスワンプドラゴンのドタマに剣を刺してトドメを刺したって聞いてるっすよ?」
「間違ってはいないんだけどねえ」
「そこはカダール様だから」
「あのお館の一族だから?」
「なんかいろいろおかしいっすよ。なんであの領主館、執事とメイドがあんな強いんすか?」
「だってウィラーイン家だから」
「ドラゴンスレイヤー言うなら、あの拳骨メイドはドラゴンモドキに跳び蹴り入れてたぞ」
「それで目玉ひとつ抉って奪ったね」
「なんでメイドやってんすかあの人? あの一家おかしいっすよね?」
「あ、そんな感じで中央の人達も私達のこと見てるのかもね」
「「えぇー?」」
(* ̄∇ ̄)ノ 蜘蛛意吐モンコレの二学期、二時限目
『エワイタンフローシュ』
より派生した、その後の中央派遣部隊の宴会です。