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スタンピード

「ギルド長、先に自己紹介をさせてもらっていいですか?そのほうがこの後のはなしもやりやすいでしょう」


「そうだな、辺境の風のメンバーで自己紹介を頼めるか」


「わかりました、それでは俺からリントだ。このPTのリーダーで大剣を使っている」


「ランドです。前衛での魔物の攻撃を防ぐのを担当しています。大楯を使います」


「……ラナ。盗賊」


「ノエルよ。後衛担当で弓を主に使うわ」


「カノンです。PTの治癒を担当しています」


「俺達5人と今は所用でここには居ないんだが魔法使いを含めた6人が冒険者PT『辺境の風』だ」


「えっと、私たちも言ったほうがいいのかな?」


「そうだな、頼めるか?」


「ミアよ。魔法による敵の殲滅を担当しているわ」


「イリスです。ミア様の護衛を担当しています。獲物は剣と盾です。それで、私達はなぜこの場に呼ばれたのでしょうか?」


「ああ、それについては今から説明しよう」


「ギルド長それは俺から説明します。先ほども言ったように俺達には本来もう一人、魔法使いが居るんだが今は留守にしている」


「それでミアさんに代わりに魔法使いとして私達のPTに参加してほしいのよ。もちろん、イリスさんも一緒に」


「ずっと参加してくれと言ってるわけじゃない。スタンピードが解決するまでの間だけだ」


「スタンピードはその特性上、どうしても範囲殲滅ができる魔法使いが居るかで大きな違いが出てきますから。それで、現在5人以上の集団に所属していないこの街の冒険者がミアさんだけだったの」


「それで、私達に声がかかったわけですね。少し考えさせていただいてもよろしいでしょうか?」


「むろんだ。ただ、スタンピードが近づいている以上余り時間をかけさせてやることはできん」


 私とイリスは席を立ち少し離れた場所に移動して話始める。でも、私はもう決めてるの。


「イリス。私、スタンピードの殲滅に参加するわ」


「ミア様、危険です。そのようなことをすればミア様の特性の知られてしまいます」


「危険なのはわかってるわ。でも、彼らは言っていたもの、西の森で起きたスタピードだって。私達は500年後の時代まで渡ってきたわ。だとしたら私達がこの時代に現れた時にはきっと膨大な魔力が周囲に散らばったはず。もしかしたら、今回のスタンピードが私達が来たことで発生したかもしれないの。だから、私は少しでも今回のスタンピードの解決の手助けがしたいの」


 私はイリスのことをじっと見つめながら返答を待つ。


「……ミア様、わかりました。どのみちこの街が陥落しては同じことです。それを考えればこの街最高の冒険者PTと行動を共にできるのはある意味行幸かもしれません。」


 イリスと共に、元の席へと戻る。


「わかりました。参加させていただきます」


 イリスがそう答える。本当に私達がこの時代に来たことが原因で起こったスタンピードなら少しでもできることをしたい。後悔したくない。


「ありがとう。短い間だけどよろしく頼む」


「話は着いたようだな、広間に戻ろう。そこでスタンピードでの冒険者の役割を説明する」



 ギルドの広場へと戻ってくると既に多くの冒険者が待機していた。


「これより、スタンピードにおける冒険者の役割を説明する」


「中心となる外壁での迎撃だが、こちらは騎士団とランクの低い冒険者が担当する」


「それ以外の冒険者は遊撃として大型の討伐を担当する。数の多い小型は外壁が担当するので外壁を壊す恐れのある大型を優先して討伐してくれ」


「「「「「「おうっ!!」」」」」」


 ギルド中から一斉に声が上がる。


 私はその声に驚いて目を回していた。



 少しして、イリスに起こされる。


「ミア様、移動の時間です」


 私は起き上がってイリスについていく、そこには既に辺境の風のメンバーが集合していた。


「おう、起きたか。早速で悪いが移動するから着いてきてくれ」


 門を抜けて街の外にでる。外壁の上を見ると騎士団の人らしき人たちが外壁上に並び、その後ろで準備をしているらしい人達が走り回っていた。


 私達は門を少しでたところで南に移動し、外壁から少し離れたところで停止する。


「さて、ここでしばらく待機だ。ほとんどの魔物は外壁に突っ込んで行くだけで騎士団で対処してくれるだろう、ただ大型を外壁に取りつかせると被害が拡大するし最悪外壁を突破される恐れがある。」


「そこでミアさんの出番です。狙う魔物はこちらで指示を出しますのでノエルと一緒に遠距離からその魔物を攻撃してください。」


「残りの者はこの場で待機して近づいてくる魔物からミアさんとノエルを護衛する。基本的な作戦は以上です。何か質問はありますか?」


「非行型の魔物の対処はどうなるのでしょう?」


「この辺りは大型の飛行種は滅多にいないので基本的には城壁の騎士団で対応します」


「わかりました」


「他にはないですね。では本格的にスタンピードが始まるまで待機を」


 私はイリスと私の武器を取り出して、その場で休憩を始めた。




 しばらくして、森のほうから魔物の集団が姿を現し始める。今はまだ獣型で足の速い魔物が中心で数も多くないし大型もいないようだ。


 まだ余裕があるからか、一部の騎士団が外壁の前に出て迎撃をしている。


 騎士団は4列に並び1列目が盾を構え、2列目が盾の間から槍を突き出して倒しているようだ。時折、1,2列目と3,4列目が交代している。



 時間が経ち人型などの足の遅い魔物が到着したのか、数が一気に膨れ上がる。門の外に居た騎士団も既に壁の内側に退避している。


 大型も到着し始めたようで私も迎撃に参加する。


「ミアさん、あちらのジャイアントオークを狙ってください。とにかく足を止めさせることを優先させてください」


 そう言われ、私は詠唱を始める。足止め、距離は近いから詠唱による強化は威力優先。


 私の放った氷の槍がジャイアントオークの足を貫通し、ジャイアントオークが前のめりに倒れる。その後、氷の槍の効果により足元が氷漬けになり倒れたままもがいている。


 そこにイリスや他の冒険者PTからの攻撃が集中しジャイアントオークがすぐに動かなくなる。


 それを見ていて一部の魔物がこちらに流れ始める。


「ミアさんは大型に集中してください。流れてきた魔物が俺達で対処します」


 ランドが大楯で防ぎ、動きを止めた魔物をリントが大剣で薙ぎ払う。後ろに回り込もうとする魔物はラナとイリスで対処している。


 ノエルは弓や杖をもつ魔物を倒しながら余裕があれば大型に攻撃を加えている。怪我をしたものがでればカノンが治療しているようだ。



 そんな状況がしばらく続き、魔物の数が少しずつだ減ってきた。この調子ならもう少しで終わりかな。


 大型も周囲に居なくなったので、リントに核にしてから周囲に探知の魔法を使用する。


 ……森の奥にこちらに向かっている大きな反応がある。嘘……。この反応って、竜種!?


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