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辺境の風

す、数日だからセーフ・・・・・・

 山賊達はイリスが奥へと連れて行ったので、どうなったのかはわからない。


「ミア様は気にしなくていいのですよ」


とイリスは笑顔で言っていた。なんとなく聞いてはいけない雰囲気だったので聞けなかった。


 その後、私とイリスは街へと戻り冒険者ギルドで薬草の納品を済ませてから宿へと戻った。


 翌日、私とイリスはキオス魔法具店を訪れていた。冒険者ギルドに杖を探すうえでお勧めの店を聞いたところここを紹介してもらった。


 私のヌイグルミは強力だけど今後他の冒険者と一緒に行動するようなことがあった場合にヌイグルミ一つもって歩いているのは不審に思われるかもしれないということで予備として杖を探しに来ていた。


「いらっしゃいませ。何かお探しですか?」


「杖を見せていただけますか?」


「はい、杖はこちらの棚になります」


 私とイリスは杖のほうに移動して、並べられた杖を一つ一つ確認していく。


 そこには、新人が使う初心者用からかなり高価なものまで並べられていた。


「ん~、やっぱしクマさんより強力な杖は置いてないかな?」


 とヌイグルミと置かれた杖を見比べていると。


「ちょっと待ちなさい!その言葉は聞き捨てならないわ」


 とこちらに向かいながら抗議してきた。


「そこまで言うのならそのヌイグルミ見せてくれない?もしここに置かれた杖よりも強力だったら杖一本サービスするわよ?」


 と言ってきたので、ヌイグルミをお姉さんに手渡した。


 少し怒った表情のままヌイグルミを受け取っていたお姉さんは、ヌイグルミを受け取って確認すると次第に落ち込んだ表情になっていった。


「……そんな、私の作った杖がクマのヌイグルミに負けるなんて……」


 と小さな声で言いながらカウンターに移動して椅子に腰を落としていた。


 見た目のせいでわかりにくいけど、このヌイグルミって当時の国一番の魔道具作りの職人が希少な素材を大量に使用して作ったものだから、これより強力な魔法の触媒は滅多に出会えないと思う。


 私とイリスは冒険者が使う一般的な程度の杖をもらい店を後にした。余り強力な杖をもらっても目立つだけだし、戦闘になったらヌイグルミを使うしね。


「この後どうしようか?」


「冒険者ギルドに行って依頼を確認してみませんか?」


 イリスにそう言われ冒険者ギルドに移動するとギルド内は昨日までとは打って変わって剣呑な雰囲気が漂っていた。


 どうかしたのだろうか?と思い、受付に聞きに行こうとすると先に受付の人から声を掛けられた。


「ミアさん、イリスさん丁度いいところに。お話がありますのでこちらに来ていただけませんか?」


 理由は分からないけど、イリスに確認したあと受付の人の後をついていく。


 着いた場所は普段は通れないギルドの奥にある打ち合わせ等を行うための部屋だった。


 受付の人がノックをして扉を開けると、6人の男女が椅子に座っていた。


「ギルド長、ミア様とイリス様をお連れしました。」


そういって、受付の人は部屋から退出していた。


一人やどうやらギルド長らしい。


「おう、とりあえず適当に座ってくれ」


私とイリスは、近くの椅子に座る。


「お互いに自己紹介と行きたいところだが、先に現状について説明させてもらう。このギルドでもトップの冒険者PT<辺境の風>、そこの5人だな、に数日前から西の森の調査を頼んでたんだが3000を超える魔物の群れがこの街に向かってきていることが分かった……」


 モンスタースタンピード……対応を間違えれば街一つ滅びる可能性もある災厄。


 あれ?でも、冒険者はそんな魔物の群れを一人で討伐できるような人の集まりだってイリスが言ってたような?


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