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第1話 学長の頼み

よろしくお願いします。

「はい?…あの、もう一度仰っていただけますか」


僕は困惑げに、茶色の瞳をしばたかせた。心の中では、灰青色の頭を抱えて困惑に転げまわっているのだが、傍から見ていれば落ち着いて静かに問いかけているように見えるだろう。


僕の前には漆黒の大きな机に座りニコニコと笑う修道女がいる。サンナルティア神学校の学長だ。

いい年齢のお婆ちゃんで、いつでも天からお迎えがきても大丈夫なご様子だが、未だに旅立つ気配なく僕たち神徒見習いを優しく見守ってくれている。ありがたい存在である。


そんな学長に見守られ、幼少期から清く正しく美しく。

どこまでも清廉に生きてきた筈だった。

青く澄んだ青空のような気持ちで。

今年、神学校の最高学年になった。16歳という若さで最高学年まで達することはなかなか難しい。同級生が下は15歳上は45歳、平均年齢25.3歳という年齢幅を聞けばわかるだろう。まあ、3人しかいないのだが。

見事卒業した暁には、王都にある最高峰のヤンデラ神殿に第8階梯で華々しくデビューするというレールに乗っていたはずだ。


なぜだ、なぜにこうなった?


オーケー、深呼吸だ。

何かの間違いかもしれないだろう。


よくある話じゃないか。

人違いとか勘違いとか、聞き間違いとか。

見間違いでもいい。

間違いであってくれ!

敬虔に祈る気持ちで、学長の皺だらけの顔を見つめた。

だが学長は艶やかな女性らしい声で、もう一度同じ内容を告げる。


「神官見習いアルスレイ=ハインツ。貴方に勇者の教育係になってほしいのよ」

ありがとうございました。

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