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第六話 雪花side

 


 目の前に姉さんがきた。

 中村紗雪

 愛想の無い私とは全然違う頭も良くて可愛い姉さん。

 きっと学校来るまでの間にわたしと彼のことを聞いたのだろう。

 何も言わなかったからやっぱり怒ってるみたい。

 そのうちわかるだろうから、はじめから目的も何故彼なのかも言うつもりはなかった。


 今回の事を決めたのはある人に会ってから。この事は姉さんは知らない。



「私と付き合ってくれます?」


 彼を呼び出してそう告げた。

 同じクラスだけど話した事はほとんどない。私と同じぼっちみたいだしね。

 けど彼が優しい人なのは知ってる。彼が何を思ってしたかわからないけど、確かに助けられた事があるから。

 こんなことはマンガやラノベでもよくある話。けど、私は助けられたからって好きになってなんかいない。

 今回の事は彼があの人の子供だから。


 けど、まさか嘘の恋人だと知ってもすぐにOKしてくるとは思わなかったわ。色々ともっともらしい言い訳を考えたのが無駄になったもの。

 まぁ、彼がOKした理由には少しイラッとしたのだけれども。

 こっちの理由も聞いて来なかった。

 何故かはわからないけど、私もいっぱいいっぱいだったからきっと言えない理由があるのを察してくれたのかもしれない。

 それか何も考えてないか、、、


 翌日の朝私は一緒に登校する旨のメッセージを送る。はやく周囲に私と彼が付き合ってることを認識させたかった。


 にしても・・・

 彼、女の子の相手慣れすぎじゃないかしら?

 妹がいるからなんて言ってたけどそれにしては、、、

 思わずシスコン?なんて聞いたみたけど何故かブラコンって返ってきた。

 ブラコン?

 どーゆうこと?

 妹に迫られているとか?

 まさか、、そんな、、ラノベじゃあるまいし。


 そして目の前に戻る。

 眼前には相変わらず怒ってる姉さん。


「せっちゃんがアレと手を繋いできたって、聞いたんだけどホント!?」


「ホントよ。後、人の彼氏をアレ呼ばわりはやめて」


「か、か、彼氏!?」


 まわりがザワッとなる。彼を見ると机に伏せている。

 あれは絶対寝たフリ。同じぼっちの私にはわかる。


「か、彼氏ってホントなの?いつから?」


「昨日よ」


「なっっ」


 予鈴が鳴り、これ以上は教室で話すのはまずいと思い、



「もうそろそろHR始まるから後で話すわ」


「絶対だからねっ!」


 自分席に戻る姉さんを見た後チラッと彼の方を見てみる。

 今度はわざとらしくあくびをしながら窓の外を見ている。


 イラッッ


 姉さんとは二人で話そうと思っていたけど予定変更。

 彼もつれていこう。

 決めた。今決めた。




 イラッ

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