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第五話 手、繋ぐ?

「さて、ここから学校まで手でも繋ぐ?」


「馬鹿言わないで。肉体的接触は無しって言ったでしょ?」


「はいはい」


 軽く手振って同じペースで歩きだす。


「でもちょっと待って。付き合ってるのに手を繋がないのも不自然よね」


 右手人差し指を顎にあてて考えこんでいる姿が可愛い。


「じゃどーするの?」


「こ、これで行くわ」


 そー言いながら俺の左手の制服の袖口をつまんできた。ちょんっとつまんできた。



 えーーっ!なにこれ!下手に手を繋ぐより恥ずかし可愛いんですけどーーー!いや、手を繋いで登校なんてしたことないけども!なーいけーどーもー!

 手を繋ぐなんて妹としか経験がないまである。シスコンではない。


「じゃ行くわよ」


 普段と変わらないトーンで言いつつ袖をクイクイ引っ張られながら歩いていくけど、雪花は平気なのか?

 あっ、耳が真っ赤だ。

 うん、まぁ、これは照れるわな


「ちょっとあなたはなんでそんな平気そうなの?クラスでのイメージと違うのだけれど?口数少なく、どもりながら話してる感じだったのに」


「オブラートって言葉知ってる?」


「知ってるけど今まで忘れてたわ」


「都合のいい頭だこと。まぁ、その通りだけどそうなるのはそれこそお前の姉ちゃん達みたいなカースト上位グループに話しかけられた時とかだな。あいつら何語喋ってるかわっかんないもの。その点自分と似たような境遇の奴は全然平気。だって、、、お前も友達ほとんどいないっしょ?」


「・・・まえ」


「ん?」


「なまえっ!お前はやめて。それに姉さんは昔はあんな感じじゃなかったもの。私のために、、、」


「じゃあ雪花」


「、、、ッ」


 なんだ?


「なんでそんな普通によべるのかしら、、、」


「あー、妹いるから?妹の友達も普通に名前で呼ぶし。妹の友達はみんな妹感覚」


「シスコン?」


「いや、むしろブラコン」


「どうゆうこと?まぁいいわ。話を戻すけど、私に友達いないと思われてるのは心外だわ。」


「だって教室でほとんど一人じゃん。」



「・・・液晶の向こうにはたくさんいるわ。私が困ってるとたくさん集まってくるもの」


 ソレチガウ


 そんなんただのレイドボス退治じゃねーか!

 むしろそーゆーゲームやってんのが意外だわ!


「そろそろ校門見えてきたけど教室までこのまま行く?」


「そうね。そうしないと意味が無いもの」


 意味?


「わかった」


 浴びるほど視線を受けながら校門を抜け下駄箱を経て教室に到着。


 1年2組

 ドアを開け、中に入っていくと視線があつまる。


「じゃ。あとで」


 そこで雪花は俺の袖から手を離しお互いの席に向かう。


 お互いにぼっちなおかげもあって、視線は集まるけど誰も話しかけにはこない。


 はずだった。


 ガラッッ!ガタンッ!

 教室の後ろのドアが勢いよく開き1人勢いよく入ってきたかと思えば一瞬俺を見たかと思えばまっすぐに雪花の元に向かっていく。


 その姿を俺はずっと見ていたが当の本人は分かっていたと言わんばかりにゆっくりと顔をあげて目の前にきた人物を見る。



「ちょっとっ!せっちゃん!どーゆーことっ!?」


「何がかしら?」


 なんか雪花の双子の姉、紗雪がめっちゃ怒ってた。

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