表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/25

閑話(という名のメシテロ)

この話は主に料理の事と、主人公の前世の話になります。 こちらを読まなくても本編には影響がありませんので、興味のない方は飛ばしてくださいませ。

今日は約束通りアイオスに野菜料理を食べてもらう日。 ふふふ‥‥ 


メニューは花ズッキーニのフリット、サーモンとシュリンプのコンソメジュレカクテル、トマトの冷製パスタよ。


花ズッキーニの花の中の雄しべとめしべを取って、中にアンチョビとモッツァレラチーズを入れて、てんぷら粉をまぶして揚げ、トマトソースを敷いたお皿に乗せて、上にバジルの素揚げを乗せて1品完成。


サーモンとパプリカ、トマト、キュウリを5mm角に切った物とボイルした海老を、あらかじめ作って置いたコンソメで作ったゼリーを冷蔵庫で冷やし固めた上に乗せ、スプーンで崩しながら混ぜ、カクテルグラスに盛って仕上げにイタリアンパセリ(に似た葉。味も見た目も成分もほぼ同じよ)を乗せてもう1品完成。


トマトの冷製パスタ‥‥ここまできて思ったけど、トマトずくしだった。  トマトいいじゃない、トマトおいしいじゃなーい。 冷製パスタはちょこっとケチャップを隠し味でいれるのよ~。 


グルメレポートじゃないから細かい手順はカカッとすっ飛ばすわよー。 あと‥‥そうね、可愛そうだから何かデザート‥‥ ドルチェも作ろうかしら。  パンナコッタがいいわね。カシスとチョコのソースなんかおいしそう!


さて、準備はできた。 あとはアイオスを待つだけね。 





「おーっす。 あんま気が乗らないけどきてやったぜー。」


「ちょっと!気が乗らないとかほんとひとこと余計なんだから!  ‥‥ふん、まあいいわ。 とりあえずどーぞ。」


ジョージが完璧なタイミングでサーブしていけば、アイオスの顔がみるみる輝いていくわ。 ふふん、どーよ!


「うんまっ」


「ふふ、それはドーモ。 気に入ってもらえてよかったわ。」


「ほんとエドはメシとかスイーツ作るの上手いよな。 なんで公爵家の嫡男とかやってんの? 店もてんじゃね?」


「ほっといてよ。 これはあくまで趣味よシュミ。  食べてほしい人に食べてもらえるのがいいんじゃない。」



ワタシは死ぬ間際はゲイバーで働いていたけど、その前は実はイタリアで修行してたのよ。


セクシャリティの問題で日本が息苦しくなったワタシは大学を卒業するとすぐに日本を飛び出した。  青山で入ったイタリアンレストランの味に感動して、クオーコ(料理人)ドルチアーリオ(菓子職人)になる為に単身イタリアへ飛んだの。


‥‥だけど知らなかったのよ‥‥ イタリアが日本以上にゲイに対して風当たりが強い事を。


まあね、ちょっと考えれば分かるんだけどさ、ゲイは自然に反した罪深いモノとするキリスト教最大勢力のカトリック教会の総本山であるヴァチカンをかかえるお国柄ですもの、そりゃー風当たりも強くなるわよね。


3年我慢して修行した後はさっくりと日本に帰ってきちゃったわ。 それで、もうどうせなら自分を偽らずに生きて行けるようにゲイバーで働くことにしたの。 それでまあ、どうせやるならテッペン取ろうかなって。 がんばってNO1になった後、ある事があって、むしゃくしゃしてあおるように酒を飲んで、フロでおぼれて死んだってワケ。 あ、なんか思い出し怒りが‥‥。 




「んんっ、それでアイオスはどれが一番おいしかったの?」


「え、そうだな‥‥ やっぱこれかな!」



そう言ってアイオスが指さしたのはパンナコッタの乗っていた皿だった‥‥ まあね、アイオスだしね! 知ってた!






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ