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第41話 捜索、発見

次の日、鷹也の母親が来た。

彩がいないことを知ると、がっかりした様子だった。

しかも手がかりが無い。


「アンタ。あれは? 捜索願!」

「え? 警察?」


「別にいいじゃない。悪い事したわけじゃないんだし。お願いするだけだもん。こっちは税金払ってんだから」


「そ……そうだよな……」


鷹也は鈴を母親に預け、警察に向かった。

身分証を提示させられ、なぜいなくなったのか?

行きそうな場所はどこか?

最後に着ていた服装は?

書き置きの有無はあったのか?


「え? 離婚?」

「いえ……まだ提出していないのですが……」


「じゃぁ、捜索じゃないじゃないですか。お二人のご意志なんでしょ?」

「それはそうなんですが、離婚を取りやめたいと言うか……」


「旦那さんがそう思っても、奥様の気持ちは分かりませんよ。出て行かれたんですよね?」

「ハイ……」


「なにも危ないことないじゃないですか。特に事件性もないし……」

「あのう……探して頂けるんでしょうか?」


「うーん……。ちょっと難しいですね〜。優先順位でも下の方ですね」

「そうなんですか……」


「まぁ、期待はしないでください。一応情報はお預かりしますが」

「ハァ……」


鷹也は肩を落として帰るほか無かった。



それからさらに数日が経過し、会社からもらった休暇も残り少なくなった。

鈴を病院に連れて行き、クラミジアの検査をしたが陰性。

ホッと胸を撫で下ろした。

自分の方もほぼ回復し、完治に向かっていた。

彩の方も薬を飲み続け、回復に向かっているだろうかと心配した。早く会いたい。

会って詫びたかった。


警察からの報告を待ちに待ったある日。

家の電話が鳴り、それを鷹也の母親がとった。


「ハイ。多村ですが」


母親はしばらく電話の向こう側の人物の話を聞いていた。

そして、鷹也の方を向く。


「アヤが……見つかったんだって」


「え? 警察??」


鷹也は母親から慌てて電話を奪い取った。それは、家から大分離れた日本海側の県警からだった。


「県警の吉岡です。奥様の捜索願が出ていたので、ご報告です」

「ありがとうございます!」


「奥様のご遺体、浜辺に上がっておりました。こちらでご遺体はお預かりしております。確認した後にお引き取りを頂きたいのですが」


「……え……」


彩は発見された。

だが結果は最悪の形だった。

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