第32話 第一次帝都戦争
「一番乗り!!」
声高々に、『王通』へと入るフィユ。その後に次いでラプが現れる。
開戦から約5日が経とうとしていた。帝国領土内は、大陸全土の同盟軍対闇の軍勢の戦いで染まっていた。
その中、この戦いを担う戦姫たちは、以前騎士団と相対した広場『王通』を目指し、フィユとラプが最初に到達したのだった。
「ここに敵はいない?」
「主殿、油断はなさらぬように。」
「でも変ですわよね?ここに敵が一人もいないなんて・・・兵隊は入ってこれない聖域なのでしょうか?」
フィユとラプが周囲を警戒しながら言葉を交わす。
「間違いじゃねえが、正解でもねぇ!!」
その声に振り向く2人。城正門直下の階段、そう、前回と同じ場所にその姿が現れた。
第五位〝死鋏のスゾー〟、第三位〝夜傘のパラプリュイ〟、そして、第一位〝最強のエクストリム〟。
「ここは確かに、主が御身を現す神聖な場所よ。」
パラプリュイが傘を抱き撫でながら言葉を紡ぐ。
「そして、主をお守りするのは我ら騎士団の役目!!」
スゾーが、戦闘の時が待ちきれないかのように、大鎌を器用に回しながら続く。
「兵が入れないわけではない。いらないのだよ、我らさえいればな。」
エクストリムが言葉を紡ぐと、それぞれが得物を構える。その様子を見て二人も構えをとる。
「ラプ?二人で行けると思う?」
「さすがにちょっと自信ありませんけど・・・やるしかありませんわね。」
そう言って拳に力を入れた時、
「無理しないの。」
「ボク達もいるよぉ!!」
そう言って二人の隣に並んで立つマレーンとボワ。
「二人とも!!」
「間に合いましたわね。とても頼もしいですわ、お二方。」
「それじゃぁ、行きましょうか!!」
マレーンの掛け声で疾駆する四人。それに合わせて騎士三人も動いた。
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「まったく・・・なんだこの量は!?主都に入ってから半端じゃねぇぞ!!」
悪態をつきながら進軍を進めるリアン。その後ろを、アルクアンシェルを展開しながらついて行くネージェ。
「みんな無事でしょうか?!」
「それは愚問じゃないか?!そんな事を考えている暇があったら、少しでも前へ進んじまおうぜ!!」
「・・・そうですね。今は進むべきですね!この先に・・・・必ずみんながいる!」
「そういうこと!!」
目的の『王通』、それが目に見えてきたところで大きな音が聞こえた。
「!?」
「誰か戦っている!?」
ネージェが声を上げると、それに応えたかのようにアルクアンシェルが速度を上げる。
「急ぐぞ!!」
「えぇ!!」
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「二人は先に行って。」
「ルージュ?」
急に足を止めたルージュに、同じく足を止め振り向くアリスとチャト。
「わたしはここで、バハムートの魔力を溜める。ウィズダムの話だと、主って奴には別に本体があるって。わたしの渾身の一撃で本体を破壊する。その為に・・・みんなにはちょっとの時間囮になってもらうことになるけど―――」
ルージュは小さく「ごめん」と言った。
「・・・・はぁ。そんなこと気にしなくていいのに。それよりもルージュの事が心配だよ?」
「そうニャ。魔力を溜めている間はどうするニャ?無防備じゃニャいかニャ?」
二人の心からの心配が視線で伝わる。しかし、ルージュは笑みをもって言葉を返した。
「大丈夫。もう少しでウィズダムが来てくれるはずだから。」
「・・・・わかった、まかせるわ。はずしたら承知しないからね。」
その言葉だけを残し、アリスとチャトは疾駆していった。
「・・・・うん。それじゃ、いきますか。第三形態〝ロイ・バハムート〟!!」




