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御伽噺戦記  作者: ran
20/41

第19話 闇

「終わりましたね。」


「えぇ、あなた達のおかげよ。ありがとう、ネージェ。」


 素直に頭を下げるジェリア。


「頭を上げてください、お母様。わたしは―――――」


「ネージェ!?」


 言葉途中、チャトの声が響いてきた。その様子から、何かが起きた事がうかがいしれた。急ぎ、チャトの近くに行くネージェ。


「どうしたの?!」


「あれ・・・何ニャ?」


 チャトの指差す先、ブランネージュ軍とアルジャン軍の中央付近に、次々と地面から出没する黒い何か。現れるやいなや、両軍に向けて侵攻を開始する。


「何、あれ・・・・お母様?!」


 ネージェがジェリアの方を向く。彼女もその姿を確認したのか頷きで答える。


「全軍前へ!!奴らが何者かはわからぬが、我らが国に一匹たりとも入らせるな!!」


「「オォォォーーーー!!」」


 士気高揚するブランネージュ軍。ネージェとチャトもそれに続いた。


               ・

               ・

               ・


「進軍するぞ!!何者かはわからないが、奴らに国土を踏ませるな!!」


 ブランネージュ軍同様、進軍を開始するアルジャン軍。リアンとフィユもそれに続く。敵と衝突するかいなかの時、援軍が到着した。


「遅くなってごめん!!わたし達も加勢するわ!!」


 フィユ達の近くで馬から飛び降りるアリスにボワ、そしてラパン。


「アリス!?他のみんなは?!」


 メンバーが微妙に記憶と合わないことを問いかけるリアン。


「ラプとマレーンはあっち側に行ってもらった。ルージュは・・・途中であの子の旅の目的に会ったの。だから、怒らないであげて。あの子は、必ず来るから。」


「・・・そんなことはわかってるよ。」


 リアンは笑顔でアリスに返事をする。その言葉に安心したのか、アリスも一度笑顔を作ると、すかさず表情を切り替えた。


「今は目の前の敵!!来てもらってそうそうで悪いけど、全開で頼むわ!!」


「「了解!!」」


 フィユの声にアリスとボワが勢いよく返事をする。


二人は、事の成り行きを聞きながら、敵を排除していく。何者かはわからないが、一つ一つの実力は大したことはなかった。


しばらく戦っていると、アリスがふと違和感に気づく。周りを見渡し、状況を確認する。


(「どういうこと?・・・・・試してみますか。」)


 アリスは戦いの手を止め、回避にだけ集中し、敵から逃げ回った。そして改めて周りを確認する。


「アリス、どうした?!」


「ちょっと気になってたんだけど・・・・間違いじゃなかった!!」


 リアンの問いに答えながら、再び剣を振るうアリス。


「なんでかはわかんないけど、こいつら私達・・・ううん、私とフィユを狙ってる!!」


「何?!」


 リアンが辺りを確認する。黒は、攻撃を受ければそっちに集中が行くようだが、確かに、明らかに二人にむかって敵は群がっていた。


「これは私達の戦いになりそうね――――フィユ、ブランネージュ側に走って軍を退かせて!!ネージェに言えば何とかなると思うから!!リアンはアルジャン軍を!!ラパンはリアンと一緒にいて!!」


「わ、わかったですです!?」


「・・・・了解!狙いが私達って言うなら、無駄な犠牲は出していられないからね!行くよ、ファラダ!!」


「御意!!」


 ラパンは返事をするとリアンの傍に駆け寄り、フィユはアリスの伝言を持ち、ブランネージュ側に走った。


「リアンも早く!!」


「・・・・わかった!無茶はするなよ、アリス。」


 そう言って、トリーゼを探しにラパンと共に走るリアン。それを見送ると、敵を排除しつつボワへと近付くアリス。


「・・・ボワ、敵を両軍から引き離すわよ。」


「・・・・・わかった、ボク達が囮になるんだね?」


「そういうこと。それじゃ、行くよ!!」

 アリスの号令で、戦場の中心方向へ向かって走り出した。


              ・

              ・

              ・


「ってこと。ネージェ、お願いね!」


「わかった。無理はしないでね、フィユ!!」


 そう言って、ネージェはジェリアのもとへと走っていった。それを見送ると、マレーンが口を開く。


「ねぇ、フィユ?この状況で、アリスなら何を考えると思う?」


「ん~・・・自分達が囮になる為に、敵を引き離しにかかる、かな?」


「うん、私もそう思った。」


 マレーンとフィユが、口元に笑みを浮かべつつ頷き合う。


「じゃぁ、すぐ行くに越したことないニャ。この集中攻撃は、けっこう疲れるニャ・・・」


「中心に行けばアリスさん達が連れてくるのも含めて、さらに敵は増えますわよ?」


 チャトの問いにラプが的確な指摘をする。


「うっ、そうだったニャ・・・で、でもみんなといれば心強いニャ!」


「くす・・・それじゃ、向かうとしますか?」


「「「はい!!」」」


 掛け声の後、マレーン達も戦場の中心へと向かい走り出した。


               ・

               ・

               ・


狙い通り、彼女達に敵はついてきて、戦場の中央付近は黒で溢れ返るようだった。


マレーン達が到着するとほぼ同時くらいに、アリス達もそこに姿を現した。フィユは後ろにラプを乗せ、縦横無尽に走りつつ、槍撃と魔術で敵を蹴散らしていく。ボワとチャトは、持ち前の機動力を活かし、協力して敵を退ける。そして、アリスとマレーンは背中合わせに立ち、向かってくる敵を一刀両断に伏していた。


「よく同じ考えに至ったわね、マレーン?」


「アリスが考えそうなことを想像しただけ。アリスってわかりやすいから。」


 戦闘の最中にありながら会話をかわす余裕を見せる二人。よく見れば他の仲間も、余裕の表情を呈していた。


彼女達の活躍は顕著に表れ、敵の数が明らかに減っているのがわかった。


「だいぶ減った?」


「えぇ。もう少しよ。」


マレーンに状況を報告するアリス。その時、突如として大きな姿が現れた。それは今までの、何ともわからない形状の奴らとは違い、黒い甲冑を着た、騎士のような姿をしていた。


「今度は、なに?」

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